こんにちは。ホネ山です。
今回はターレンスジャパン(ロイヤルターレンス商品の販売元)にご依頼を受けまして、
レンブラント120色のドットカードをガシガシ塗ってまいりました!!
(アイキャッチ画像は、ロゴの使用許可を得て作成いたしました)
ドットカードが手に入るまで「謎の高級絵具」のイメージがあったレンブラントを
出来る限り解説していきますのでレッツスクロールです!
- レンブラント透明水彩ってどんな絵の具?特徴は?
- 質問に答えていただきました!!
- ホームページには1899年にレンブラントの水彩絵具が出来たと書かれていましたが、当時の色のラインナップは残っていませんでしょうか。
- 当時なぜ「水彩絵具を作ろうとしたか」経緯の資料など、残っておりませんでしょうか?
- 他のメーカーにはない(もしくは少ない)、レンブラント透明水彩の特徴を教えていただけませんでしょうか。
- 他社に比べると、顔料名を素直に色名にしたものが多いと思いますが独自の色名をあまりつけない方針などございますでしょうか。
- 120年の歴史の中でどのように変わっていますか?
- ダスクカラーやキラキラ色は、どのような需要に応じて生まれてきた色ですか?
- ロイヤルターレンスとサクラクレパスの関係を教えてください。
- レンブラントとヴァンゴッホブランドの位置づけを教えてください。
- どこで買えるの?
- 全色詳細リンクです!
- 画像だけ見たい人用全色カラーチャート
- ホネ山のおすすめ色を紹介するよ!
- レンブラントだけで作例塗りました!
- もう1枚レンブラント作例!
- 終わりに
レンブラント透明水彩ってどんな絵の具?特徴は?
伝統のオランダ製
レンブラント水彩絵具は、オランダの絵具会社「ロイヤルターレンス」の最高級ブランドです。
レンブラントで水彩絵具が出来たのは約120年前!
そこから今に至るまで製造を委託せず、顔料の設定から配合の設定まで
自社(オランダのアペルドールン)で行っているとのことです。
充実の120色ラインナップ
基本色だけで101色+ダスク3色+キラキラ16色の構成。欲しい色は大体手に入ります。
オペラなど蛍光色は入っていません。
単一顔料が多い
単一顔料が半分以上!!(特殊色除く)沢山混色したくなります。
魅惑のダスクカラー
黒と明るい色の分離色「ダスクカラー」のシリーズが注目されています。
あまり他のメーカーにはない面白いテクスチャです。
キラキラ色がとても豊富
通常の金銀銅のラインナップに加え、キラメキ方の違う3種×4色のキラキラカラーが揃っています。
特にカメレオンカラーは粒が大きくてキラメキが強いので、私もおススメです!
地の色を邪魔しないキラキラが多いので、どんな色の上に重ねるかを考えると楽しいですよ!
質問に答えていただきました!!
恒例のメーカー質問コーナーです!
120年の歴史について~レンブラントの特徴につきまして広く質問しました!
ターレンスジャパンの皆様、ロイヤルターレンスの皆様、ご回答ありがとうございます!!
ホームページには1899年にレンブラントの水彩絵具が出来たと書かれていましたが、当時の色のラインナップは残っていませんでしょうか。
https://www.royaltalens.com/en/about-us/history/
(ホネコメント)
なんと!発売当初のポスター・チューブと固形水彩の写真の掲載許可をいただきました!!
ポスターに掲載されているキャラクタが描かれていますので、製品の方は発売当初に近いと思います。オランダ初の国産水彩絵具と言う点を自負していたようです。
【ポスター下段に書かれている内容】
ターレンス「レンブラント」水彩絵の具は、画家専用絵具の中で最高の品質です。その優れた発色、クリアで純粋な色は独特です。他社に追随を許さない完全に均一な層で塗ることができ、チューブ内で硬化することもありません。まだ使ったことのない方、水彩絵具の可能性を実感してください。
(ホネコメント)
絵具の宣伝文って今とあまり変わらないな~と思いつつも、
当時新しめの絵具として水彩絵具が紹介されていたところにニヤニヤします!
(ホネコメント)
下は実際のチューブ絵具&固形絵具の写真です(掲載許可済み・一番下段はターレンス水彩絵具)
この、歴史を感じながらも可愛いデザインを見てください!
当時なぜ「水彩絵具を作ろうとしたか」経緯の資料など、残っておりませんでしょうか?
歴史をさかのぼること124年、ターレンスは事務用のインクや塗料などの製造メーカーとして始まりました。
当初は家族経営の会社でした。
インクを製造していく中で、携帯性のある絵具に転用しようという流れから水彩絵具が開発されたようです。
他のメーカーにはない(もしくは少ない)、レンブラント透明水彩の特徴を教えていただけませんでしょうか。
レンブラント水彩絵具において、透明水彩と言う商品はありません。
透明水彩と言う表現は、実は日本だけで使っています。
レンブラント水彩絵具は、可能な限り単一顔料で設計されています。
複数顔料を使用しているのは36色(特殊色を除く)です。(緑系統は複数顔料が多い色相です。)
ユーザーによっては、パレットで乾いた絵具の再溶解性が良い。と言っていただくこともあります。
固まった後に水で溶かしても顔料の塊ができにくく、チューブから搾ったばかりの水彩絵具のように均一になりやすく作られています。
他社に比べると、顔料名を素直に色名にしたものが多いと思いますが独自の色名をあまりつけない方針などございますでしょうか。
あまり突飛な名前を付けるよりも、使っていただく方々に何を使っているのかをお伝えするようにしたようです。
120年の歴史の中でどのように変わっていますか?
ターレンスでは常に改良を続けており、もっとも最近の2019年の改良では40色追加されると同時に既存色から18色が安全性や色目の改善を目的として改良されています。
ダスクカラーやキラキラ色は、どのような需要に応じて生まれてきた色ですか?
これらの色は先に述べた最後の増色の際に仲間に加わりました。
この時にメタリックも追加されています。
今に続く水彩絵具での表現幅を広げる一環でメタリックを含む光輝色が追加されています。
ロイヤルターレンスとサクラクレパスの関係を教えてください。
Royal Talens(便宜的に英語表記します。正式名称はKoninklijke Talens b.v.と言います)は、(株)サクラクレパスのグループ会社です。
(株)ターレンスジャパンは同じく(株)サクラクレパスのグループ会社で、Royal Talens製品の日本総代理店として活動しています。
レンブラントとヴァンゴッホブランドの位置づけを教えてください。
レンブラント > ヴァンゴッホ > ターレンス の順に専門性が変わっ てきます。
レンブラントが最上級です。
どこで買えるの?
探そうとするとなかなかレアなレンブラント。
リアル店舗だと世界堂各店舗の他にアークオアシス、ジョイフルなどに置いてあります。
「お取り扱い全店リスト」いただきましたのでリンクを貼ります!
何気に貴重なデータですので是非!
固形のみ、チューブのみの店舗も一部あったはずです。(世界堂横浜店は固形のみでした)
ネットでは世界堂オンラインショップ、ゆめ画材、画材販売.jp、額縁画材ドットコムなどで売っています!
全色詳細リンクです!
黄色
オレンジ
赤
ピンク
紫
青
水色
青緑
緑
黄緑
黄土色
茶色
赤茶色
白
グレー&黒
金・銀・銅・金属色
画像だけ見たい人用全色カラーチャート
ホネ山のおすすめ色を紹介するよ!
ここからは、ホネ山個人の独断なおすすめ色紹介です。
なんと言ってもイチオシはカメレオンカラー!魅せられました!
粒の大きさと、遠くからでも分かる強いキラメキが絵の情報を一気に増やします!
そしてスキャンするとほぼ映らないので、デジタル画像と原画で違う表情を見せることが出来ます。
カメレオンブルーグリーンゴールドを使った作例がございますので、気になる方は作例までスクロール!
カメレオンカラーは全4色。全部欲しい!
パレットに固めるとガッツリ固まるので、都度チューブから出すのがおススメです。
注目度の高い使える色。ダスクシリーズ
そしてレンブラントと言えばダスクカラーってイメージの方も多いと思います。
黒の荒く粒状化する顔料「PBk11」と、鮮やかな色を混ぜた分離色です。
ダスクシリーズは全3色。混色しても面白いです!
ダスク色を自分で作れる?オキサイドブラック
上記で紹介した「PBk11」の単色がこちら。
ということは、この色に他の色を混ぜればダスクカラーということに?
いろいろホネ山も混ぜてみました。
個人的には暗めの色と混色すると、分離が自然になりおススメです。
プルシャンブルーとの混色がとても気に入りました!
出番の多いグリーン寄りの茶色 グリニッシュアンバー
かなりグリーン寄りの茶色で、密かな支持を耳にします。
金髪~茶髪のキャラに使ったり、風景画の木材や土に使ったり。上のオキサイドブラックと混ぜてもよさそうですね。
緑がかった茶色は汎用性が高いと思いますのでおすすめです!
透明感のあるピンク キナクリドンローズレッド
透明感のあるピンク色です。
白と混色するのは勿論、水で薄めて作るピンクを求めている方におススメできる1本です。
かなり赤味のあるフタロブルーレッド
このフタロブルー、かなり赤寄りで。
これだけ赤寄りだと、ウルトラマリンの代わりに入れてもいいかもしれません。
作例2の方で空をブルーバイオレットと混色して塗っていますが、相性抜群でした!
強い色を弱める時に。トランスペアレントチタニウムホワイト
塗った感じほとんど透明の不思議な白なのですが、
ちょっと濃い色(他メーカーも含む)を薄くすることが出来ます。
濃い色を混色して薄める時に真価を発揮する色です。多分。
まずは「この絵の具濃いなぁ」と思った色No1の、(他メーカーですが)QoR ジオキサジンパープルを薄めてみました。
透明度を極力下げずに、いい感じに薄まります。
体質顔料的な役割をしてくれるのかな~と。
そして紙の目が白く浮かなくなるのも特徴かもしれません。
面白いのがフタロブルー。
明るさがかなり上がって、マンガニーズブルーヒュー(これも大抵フタロブルーから出来ている)のような色味になります!
もっとドバドバ入れると明るくなるのか、夢が広がります!
水多めにすると、あまり差は生まれないかな?って感じです。
レンブラントだけで作例塗りました!
ちょっと汚れたライブハウスで歌う3人組アイドル。
一見普通の水彩画なのですが……原画の角度を変えると……?
ライトが当たっている部分が光ります!キラキラが灯ることで、絵の情報量と熱量が増しました!
動画でもお見せします!
ライブハウスのよどんだ空気感と塵を表現するために、影にはオキサイドブラックを使っています。
今回は広い面積のベタ塗りが多いのですが、オキサイドブラックのおかげでテクスチャが付いて情報量が増えました。
もう1枚レンブラント作例!
そしていつものホネ山っぽい絵も1枚描きました。
こちらはラベンダーとフタロブルーレッドが主役。
心なしかいつもより落ち着いた、上品な仕上がりになりました。
爽やかな空気感が描けたのではないかと思います。
終わりに
久々のドットカード全色紹介!ということで、Xの方では(Twitter)約2か月お付き合いいただきました。
とにかくカメレオンカラーが気に入ってしまったので、全色集めて作品のワンポイントに生かしたいなぁと思いました!
ここまで読んでくださった方、ご協力いただいたターレンスジャパンの皆様、本当にありがとうございます!