こんにちは。ホネ山です。
普段は透明水彩を使って絵を描いていますが、今回は不透明水彩使ってみた!って感じの記事です。
ニッカーの絵の具をご提供いただきました
ニッカー絵具株式会社様(以下敬称略)の方が私のTwitterを見ていてくださったようで、
「ホネ山さん使ってみませんか?」とお声をいただきました。
使うからには、全力で記事を書くのがブロガーとしての礼儀だ!
と思い、今うなりながら書いているというところです。
大変光栄なことで、「しっかり魅力を伝えないと!」と肩に力が入っている状態ですw
ニッカーシリーズは3記事書く予定です。
・デザイナースカラーまとめ(これ)
・不透明水彩で背景を練習するの巻(春~夏)
・ポスタ-カラーまとめ(冬ごろ)
※同じメーカーさんの記事がずっと続かないようにしているので、こんな感じのスケジュール感になっています。
今は背景練習に苦戦していますw
本当はこの記事で背景練習の成果も出したかったのですが、思ったより苦戦しており別記事にすることにしました。
そして買い足しも。
いただきましたのは基本色で混色に欠かせないラインですが、
どうしてもパステルカラーや中間色のほうも気になっていて……!
ニッカー使うなら中間色も絶対買う!とたくさんレジに持っていきました!
下のツイートからさらに買い足しているので、計40色に。
色見本を見るとさらに欲しくなってきますw
ニッカー デザイナースカラーについて
オフィシャルサイトはこちら
オフィシャルTwitterはこちら
(このブログで紹介している)透明水彩とは違い、不透明な水彩絵の具です。
どちらかというと均一な色面を表現するのが得意なのかな。
1本20mlで341円(オンラインショップ価格)です!
めちゃめちゃ安く感じるのは絵の具沼住人だからでしょうかね?!
ニッカーは、ポスターカラーがジブリの背景や王様ランキングの背景に使われていたり、
アニメ背景の分野でもたくさん使われているようです。
アニメ背景や業界のことは全然詳しくないのですが、こちらのインタビューを読むと、業界でどのように使われているかが想像できます。
あと、ここに工場見学の記事がございます!
書いてある話の一つ一つが興味津々な内容で!行ってみたいですね~!
どこに売っているの?
世界堂など大型画材店のほか、公式オンラインショップもあります!
デザイナースカラーやポスターカラーの絵具の他
ここでしか買えない「背景画の描き方」のデジタルコンテンツや、
不透明水彩にピッタリの筆「線描筆 蒼鷹」も購入できます。
※各色の詳細ページはアフィリエイトの関係上(ネットに公開しているだけでサーバー代やPhotoshop代がかかるので少しでも賄うため。。。)Amazonのリンクを貼っておりますが、心持としては公式ストア応援しております!
通販だと世界堂、ゆめ画材、画材販売.jp あたりで販売しているのは確認いたしました!
ニッカー デザイナースカラーの特徴って?
まやさんのすごい記事があるのでこちらを読んでほしいです!!!
ホネ山のはそのあとでいいと思います。
……おおっと、自分もちゃんと書きますw
不透明水彩なこと
まず不透明なことですね!
完全にではないですが、ある程度下の色をカバーします。
つまり、暗い色の上に明るい色を置くことが可能です。
(黒→白で完全に白くするのはちょっと厳しいですが)
これが透明水彩ユーザーからすると、ズルいというかw革命的だなぁと思うのです!
均一に色を塗ったり、グラデーションも結構得意な印象です。
中間色が多いこと(時短できる)
次は色の特徴。
チューブから出して混色せずにそのまま使える中間色が多いのが、大きな特徴です。
そしてそれが風景にピッタリな色の多いこと!
この後出てくる動画でも「1か所塗るのに〇〇秒かかった」などの表記があるのですが
風景を中心としたモチーフを早く描くことに、並々ならぬ情熱を注いでいるメーカー
だと私は解釈しています。
アニメ業界で使われている絵具だから、そういう発想になるんでしょうね。
そういえば私も時短のために透明水彩混色してストックしていました!
おいしそうな名前の色が多い
シェル、クリームチーズ、マロン、カフェオレ、レーズン、シャーベットイエロー、ピクルスなど、
食べ物の名前の付いたかわいい中間色が多いです。
前述のとおり実用性も十分で、ニッカー集めるのでしたら基本色+ここら辺の中間色を買うのが楽しいと思います
メディウムが透明なこと
あの、チューブから出したときにデロって出るメディウムあるじゃないですか。
あれって大抵アイボリー~はちみつ色の色がついていると思うのですが、ニッカーのはほぼ透明でした!
多少発色には関係するかもですが、実作業にそれほど影響がないとわかりつつも。。。
絵の具マニアとしてここでテンションが上がったので入れてみましたw
ポスターカラーのほうに書いてあったのですが、
スーダン産のアラビアガムを使っているようです。そのメディウム売ってほしい。
いい写真取れたら追記します。
スキャンしたときの色が透明水彩よりも正確な気がする
これは単純に自分のスキャナと相性がいいだけかもしれないのですが、
スキャンしたときの色調補正にかかる時間が、透明水彩の半分でした。
絵の具検索に入れるために1色1色色調補正をするのですが、
ほとんど補正しなくていい色がちょこちょこあるんですよね。
紙と違った色になりやすい赤~茶色も、かなり短時間で終わりました。
私がデザイナーズカラーを「時短のための絵の具」だと思っている要素の一つです。
メーカーさんのご返信によると、プロの現場でもアナログとデジタルで併用しているようですね!
デザイナーズカラー?デザイナースカラー?
公式でもどっちも表記があるんですよね~。
絵具の紹介ページは「デザイナーズカラー」、オンラインストアや動画、カラーチャートは「デザイナースカラー」
どちらでもいいと思います。。。
と思っていましたが、公式回答きました!(2022/07/24追記)
以後表記をデザイナースカラーに統一致します!
全色色見本の写真です!
せっかくカラーチャートをいただいたので、そちらを公開!
こちらで大体の色味はわかるかな~とおもいます。
実はこちらのカラーチャートは有料です。(今回念のため確認し、掲載OKでした!)
ものすごく手間のかかる職人芸の賜物だということで……!
たまに開いてニヤニヤしようと思います。
おっと、自分の持っていない色の中でも素敵な色を発見!
マロン、プルシャンブルーなどのダークカラーやラベンダー、ヒヤシンス辺りの青紫も欲しくなってきます(人∀・)
いただいた24色+買い足した16色=40色をご紹介
物欲が高まったところで気を取り直して(?)
手持ちの40色をすべて塗り、原画に近くなるよう色調補正してみました!
こんな感じで非常に鮮やかです!
中間色の使い勝手が良すぎる件は、後程紹介いたします。
絵の具検索、40色詳細はこちら
個人的なおすすめ色は?
ハイライトにも!混色ベースにも!淡~い隠し味な色
自分の場合、白系統でおすすめ色があること自体珍しいのですが、なんとここでは2色もおすすめ色があります。
シェル
ほぼ白なんですが、ほんのちょびっとだけPR101(酸化鉄)が入っている色。
このビミョーなアイボリーとも言えない茶色が優しさにつながっているというか。。。
白ではちょっとまぶしいときにこの色おすすめです!大好きです。
クリームチーズ
こちらはアイボリーって感じの色(クリームチーズですが)
白の代わりにこの色と混色してちょっとナチュラル系にしたり、
塗ったら暗くなりすぎたときに、この色を上から塗って明度を上げるのにも使っていました。
使ってわかる便利さ。透明水彩でも欲しい、ありそうでない色です。
風景描くときに超便利!混色の起点となるであろう色
風景でそのまま使える便利な3色を紹介します。
ホリゾンブルー
色詳細ページでも語っていますが、遠景やら空やらに大活躍する色です。
「この色+何か」で混色すれば、遠くの山や島はOK(描きたい時間帯にもよりますが)な時短色。
シャドウブルー(1)
こちらは近景の影でお世話になりました。
シャドウブルーは(3)まであるのですが、最も紫味の強いブルーです。
夏の太陽高度が高いときの影にや海にも使えるんじゃないかと思います。
シャドウブルー(2)
(1)より緑味の強い暗いブルー。
透明水彩だとインディゴに近いですね。
こちらも近景の影に大活躍しました。
レーズンや黒との混色でさらに暗くして締めの落ち影を入れる時に使ってた記憶があります。
ジェイドグレー
遠景でも岩の描写でも森の描写でも使える万能カラー。
透明水彩ではテールベルトがありますが、合成じゃないテールベルトはいまいち使いにくいので
テールベルト「っぽい色」は大歓迎ですw
まったりとしたかわいい茶色
カフェオレ
カフェオレちゃんかわいいですよね~。
このまったりしたパステルっぽい茶色が好きなんですよ~。
茶色パーツをふわっとした仕上がりにしたい時や、ジェイドグレーやーシャドウグレーと混ぜて濁色を作る時にも使っていました。
セットに入っていない意外な色
イエローオーカー
なんと、24色セットまではイエローオーカーが入っていません!
混色で作れなくはないですが、結構微妙な調整が必要で、手作業での量産が厳しいイエローオーカー。
特に金髪描く方などは必須級の色だと思いますので、基本色購入の後はこちらを追加購入したほうがいいと思います!
36色セットには入っているようですが、メーカー廃番っぽいんですよね。。。
Q&A
ポスターカラーとの違いは?
公式で動画があります!
・顔料がきめ細やかなので、塗るのにより時短できる
・発色がポスターカラーより鮮やか
・価格が高い(とはいっても20ml300円ぐらいなので、透明水彩よりも全然安いです)
アクリルガッシュとは何が違う?
メディウム(絵の具を紙にくっつけるため糊)がアラビアゴムなのは不透明水彩/ガッシュ、アクリル樹脂なのがアクリルガッシュです。
アクリルガッシュが乾くと耐水性になる一方、不透明水彩は耐水性にはならないです。
逆に、ある程度絵具をもりもり重ねた後、洗い流すことが出来るので(紙に付着した分はそのままですが。。。)案外やり直しがきくといった印象です。
また、透明水彩と併用するなら普通の不透明水彩のほうが個人的にはお勧めです。
アクリルで描いた分は耐水性になるため、上から透明水彩や不透明水彩を使えないからです。
アクリルと併用するなら、完全にパーツを分けたほうがいいかもしれません。
パレットはどうしている?
自分の場合は透明水彩と同じように固めました。
先ほど紹介したまやさんの記事で、固めても使えるとお聞きしましたので
なにも疑わず固めましたw
しかし注意する点が1つあります!
やはり不透明水彩。 メディウムの量が少ないので、気が付くとポロっとパレットから剥がれます
(そして触るととてもフサフサした感触ですw)
取れてしまう問題を解決するなら、アラビアゴムメディウム。
こちらを1滴垂らして接着しておきました。
ニッカーオンラインショップではメディウム類が売っていないので他社製品を。。。
オフィシャルサイトに書いてある「スーダン産の最高級アラビアガム」を接着剤で使いたいですね~!!
最後まで使うとメディウムと顔料に比率が変わってしまうので、3分の1ぐらい使ったらチューブからまた足してあげるといいと思います。
また、固めたものを溶くと濃度はどうしても薄めになってしまうため、
厚めに塗りたいときはチューブから直接出すことを強くお勧めします!
この記事のアイキャッチ画像で使ったホワイトは、実はデザイナースカラーのシェルなのですが
その時はチューブから薄めずに使いました
透明水彩と併用できる?
物は試しにということで、併用してみました!
背景のクリーム色の部分とランプの黒色部分がデザイナースカラーで、
他が透明水彩です。
はみ出した主線や塗りを上から隠すことが出来るので、個人的には併用は大有りだと思いました。
特にムラなく平面的に塗りたいときに活躍すると思います。
一方、違和感なく使うためにはちょっとコツが必要かもと!
・透明水彩部分と色調を合わせる
どうしても透明水彩のほうが色が薄くなるので、白をかなり混ぜるもしくは水たくさんにして塗ると違和感が少なくなると思います
・主線が潰れるので描き起こしは必要かも
100%でないにしろ、50~70%ぐらいカバーしてきますので、自分のような主線のある絵の場合は描き起こしが必要になってくると思います。
絵を描いてみました
何回か練習しているのですが、なかなか上手くならずw
大作ではないのですがご覧ください。
透明水彩の延長線上の塗り方で
透明水彩と同じように、固まった絵の具を溶かしながら作った作品です。
透明水彩風に使おうとすると、水加減を透明水彩以上に薄くする必要がありました。
仕上がりはマットです。
下の色を完全にはカバーできないと考えたほうがいい
そして上から別の色を重ねられることに感動!
「ちょっと黄色くしたいなぁ」「ここは紫っぽくしたいなぁ」で、下の色をある程度カバーできるのが嬉しいですね!
ただ、完全にカバーできるかというと、それもちょっと違うなぁという感想です。
下の色を30~70%ぐらいカバーできるが体感ですかね?
ホワイト入れる時などは2度塗りをお勧めします!
所感
普段使っていなかった不透明水彩を目いっぱい使えるのが楽しい一方
作例で出すはずだった背景絵が出せていなく、まだまだ練習が必要です。
(相対的に)描き慣れているキャラクター絵にしました。
でも背景はあきらめていません!もっと練習します!
透明水彩メインで使っていますが、併用のコツがわかってきたので
キャラ絵で平面っぽさが必要な時はどんどん頼っていこうと思います!
文字入れや模様入れる時にいいですね!