こんにちは。ホネ山です。
今日は水彩周辺道具の「マスキングインク」についての記載です。
いわゆる珍品紹介なのですがw 紙ごとの比較も載せましたので
ある程度は参考にできるかな~?どうかな~??
シュミンケが酔狂なマスキングインクを出したとの噂が。。。
まず、こちらのツイートをご覧ください。
アントラサイトはまだしも何故ゴールド?!
あとではがすのにその金色は意味はあるのか?!とTwitterで話題にw
シュミンケのそういうチャレンジ精神、好きです。
珍品好き&瓶タイプのマスキングインクを持っていなかったので
世界堂に入って即買ってきました。
そもそも、マスキングインクとは?
ゴムのような素材でできたインクです。
紙の上に塗る→絵具を上から塗る→はがす
で、塗ったところを白いままに守れます。
ペンタイプ(そのまま紙に塗る)と瓶タイプ(筆で塗る)の2タイプがあり、
今回の金色のインクは後者の瓶タイプです。
マスキングインクの使い方は?水筆が必要なの?
ペンで描くタイプのマスキングインクは説明不要だと思いますが、ビンのマスキングインクは塗るための筆が必要です。
マスキングインクはゴムが固まってしまうので筆を痛めます……。
なので、高級な動物毛はやめておいた方がいいです。
ナイロンのお安い筆で、細かいところが塗れる物を1〜2本ぐらい揃えておくといいと思います!
おすすめは水筆。
- 毛先が尖っていてある程度細かいところも塗れる
- お安いので、大量に買ってもあまりお財布が痛みにくい
- 中から水を入れて洗うことができる
と、マスキング用途に非常に適しています!
もちろん普通のナイロン筆でもOKですが、コスパを考えると普通の水筆がチョベリグ~かなと思います(*ゝω・)b
マスキングインクによっては薄めたり石鹸水使ったりなどのテクニックもあるようですが、シュミンケのマスキングインクは難しいこと考えずに原液のまま使って、使い終わったら筆を水で洗えばいいみたいです。
シュミンケのマスキングインクを駆使してリアル且つ光の美しい風景画を描いていらっしゃる
あべとしゆき先生が下記の本で詳しく書いているので、
気になる方はチェックしてみてください。
(多分書き方を見る限り、過去の画集でも説明しているっぽいです!)
早速使ってみた!使い心地は?
ハイ、出ました!金色のマスキングインク!
確かに金色の粒子が静かに混ざっています。傾けると金色がキラキラと流れ出して綺麗です。マニキュアのラメ入りの要領です。
早速水筆に取って塗ってみました。
紙別耐性比較
前述の本に、「シュミンケのマスキングインクは水彩の色を塗った上から使っても下の色をはがしにくい」と書かれていたので、
おそらく紙への負担も軽いと思われます。
ということで、どんな紙に使えるかのチャレンジをしました!
ウォーターフォードやアルシュなどの強靭な紙は結果が想像つくのでw
「この紙使えるのかな~??」と思うような微妙に紙肌が強くないものを中心にチョイスしました。
ウォーターフォード ホワイト 中目
紙の耐性:◎エッジのくっきり具合:▲
マスキングに強い紙の代名詞のウォーターフォードは、剥がしてもびくともせずに元の紙を見せてきました。
しかし中目なだけに表面がぼこぼこしていて、エッジは割りとギザギザに出ました。(ウとドを参照)
ホワイトワトソン
紙の耐性:○エッジのくっきり具合:×
こちらもほぼウォーターフォードと同じ。
マスキングを重ねがけにすると紙がへたってきそうに見えたので、◎か○か悩んで○に。
紙の隙間に絵の具が染み込みました。
セザンヌ中目
紙の耐性:○エッジのくっきり具合:▲
ペベオのペンタイプだと剥がすときに失敗しがちでしたが、シュミンケのマスキングインクは余裕でした。
こちらも目がそれなりにあるのでエッジはギザギザ。
ファブリアーノ(旧)極細
紙の耐性:▲エッジのくっきり具合:◎
流石極細!!
エッジはどの紙よりもくっきり出ましたが、やっぱり細目は表面が繊細で、ラバークリーナーでゴシゴシ落としたら表面が少しだけ毛羽立ちました。
よく見ないとわからない程度なので作品自体に差し支えはないと思いますが、重ねがけはやめた方がいいです。
トルション
紙の耐性:○エッジのくっきり具合:▲
マスキングダメかと思いきや、意外に持ちこたえました。
でこぼこしている紙なので、エッジも凸凹ですが、マスキング自体はいけそうです。
クレスタ―
紙の耐性:○エッジのくっきり具合:○
意外に問題なくマスキングできました!
エッジも比較的滑らかで、必要十分で使えそうです!!
ニューブレダン
紙の耐性:×エッジのくっきり具合:×
マスキングは出来ないと噂を聞いていましたが、案の定やめとけって結果になりました。
紙は毛羽立ち、エッジはボロボロなので、本当にマスキングに向いていないです。
2021/3/23 細目の紙いろいろ追加
アルシュ極細
紙の耐性:▲エッジのくっきり具合:◎
はい。王者アルシュです。
ラバークリーナーで一生懸命金色のかすを取ったところ、意外に表面が毛羽立ち気味です。
ホネ山のマスキングの葉が仕方が乱暴だったのかもしれないですがw
やはり細目だと多少デリケートな紙質になるようです。
1回でやめておいた方がよさそうです。
ウォーターフォード細目(ホワイト&ナチュラル)
紙の耐性:◎ エッジのくっきり具合:〇
細目になっても何にも問題なしです!
ホワイト/ナチュラルともに優秀。
マスキング使いたい時はウォーターフォード鉄板ですね!
セザンヌ細目
紙の耐性:▲ エッジのくっきり具合:〇
出来ないことはないって感じですが、よく見ると若干毛羽立つので、1回でやめておいた方が無難。
ペベオのペン型マスキングインクを使った時は紙が荒れました。
モロー細目
紙の耐性:〇 エッジのくっきり具合:〇
始めて使う紙なのですが……これは風邪をひいているのかな?
ふかふかした質感でしたが意外にマスキングは耐えてくれました。
コットマン細目
紙の耐性:◎ エッジのくっきり具合:◎
今回のダークホース枠。クッキリNo.1。
紙肌もビクともしなかったですし、エッジもめっちゃ綺麗です。
細密リアル絵を描くときに重宝しそうです。
シュミンケの金色マスキングインクはおすすめできる?
ホネ山はペベオのマスキングインクを使っていましたが、細かい所に塗れる代わりに、筆圧で紙を痛めたり剥がそうとしても紙に染み込んで剥がしきれなかったりでマスキングからは遠退いていました。
筆で塗るマスキングインクの方が、摩擦が少ないので紙が痛む可能性が減って良さそうですね。
ペンタイプと比べると決してお手軽に使えるとは思いませんが、
無難に使えるマスキングインクだと思います!
何と言っても金色なので、描いている時のテンションが上がるのが大きいと思いますw
(描きやすさと描いている時のモチベーションは何より大事だと思う)
あと、金色なので他のパーツと色が被らず、どこがマスキングされているかが分かりやすいです。
上から水彩を塗ると、ちょっとキラキラが周囲に漏れてきますが、それはご愛敬。
はがしやすく、比較的紙を痛めにくいところがよかったです。
その他所感
目の荒い紙にマスキングするとどうしてもエッジがデコボコしてしまいますが、細目だと紙の表面が繊細で紙が痛む事が多そうだな~と思いました。
(2021/03/23追記)
ということで細目を追加してみましたが、意外にアルシュ選手が繊細だということが分かってビックリです。
コットマン選手の意外な強靭さにはびっくりしました。
そして、わしの推し紙のストーンヘンジアクアはマスキング耐性0です!
マスキングテープでさえボロボロになるか弱い子ちゃんです。
ホント、見た目では分からないので、切れ端とかで使ってみないとですよね~。
紙への耐性などは、マスキングインクのメーカーやインク&紙の保存状態によっても変わると思いますので、参考程度に見てやってください~。