【書籍レビュー】見たい!聞きたい!透明水彩

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こんにちは。ホネ山です。
今日は書評です。
画家と絵の具メーカーの方の共著である、水彩絵の具自体の研究本について紹介します!

以前にツイッターでかなり騒ぎましたが、やっぱりブログにまとめておくべきだと思いまして……!!

「見たい!聞きたい!透明水彩」ってどんな本?

マスキングを駆使してリアルでどこか澄んだ空気を描く画家のあべとしゆきさんと、
ホルベインの科学者である小林弘明さんの対談本です。

かなり突っ込んだ画材の話が書かれつつも、あべさんの画家目線の質問が鋭くて、ただの専門書よりかなり取っつきやすくなっています。

これ企画考えた方マジですごいと思いました。
ホネ山見たいな画材沼に足を突っ込んでしまった人の心をキャッチしまくりです!!
あべとしゆき先生が共著だったからこそ出版できたんだろうなぁ。と思いました。

ちょっと他の水彩本では書かれていないような、突っ込んだ画材の話満載!

絵の具の構成について、かなり詳しく書かれていて。
例えば、

・有機顔料と無機顔料
・透明色はなぜ透明なのかの仕組みの説明
・オックスゴールなどの界面活性剤が果たす役割
・毒性のある絵の具についてどのぐらい注意すればいいのか
・絵の具にカビが生える仕組み
など。

……めちゃくちゃマニアックです!

私はホルベインの「絵具の科学」の旧版も持っていますが、
顔料はともかく、メディウム部分についてはこっちの方が断然詳しいです。
絵具の科学は透明水彩以外の絵の具についても広く書かれているので、
透明水彩に対しての記述はネットで調べて分かる範囲ぐらいなんですよね~。

(改訂版が出ているので、こちらも読んでおきたいです!)

グラニュレーションやステイニング、にじみやぼかしについても書かれていますが、
面白いのはただ事象を説明するだけでなく、なぜそれが起こるのかや、メーカー側がそれらにどういう分類をしているかの、根拠を解説してくれることです。

特に印象に残った内容2点

・ドライヤーで乾かしたとき、自然乾燥より色がとれやすく、鮮明さが落ちる
・色が濁る仕組みを光の波長から説明してくれるところとか、混色も理論通りにいかない
辺りのお話が印象に残りました。

が、なんといっても一章の、絵の具そのものについての解説が為になりました!!

自分で手作り絵の具を作っていると、「メーカーはどうやって作っているのかな?!」
とつい不安になってしまって。

流石にレシピは書いていないですが、ヒントは少しだけ書かれているといった案配で、大分納得することが出来ました。

ドライヤー比較、やってみました

本当にドライヤーと自然乾燥で差が出るのか?検証してみました!

ピロールレッドが顕著だと書かれていたので、ピロールは内定。
あとは適当に1軍パレットから彩度の高い色を選びました!

出来る限り色を再現した感じ、こんなところです。
(スキャンすると色が変わってしまうので、自然光写メで)

そこまで気にするほどではないですが、若干ドライヤーの方が色の深みが薄いような感じの結果になりました。
画像だと結構違いがあるんですが、実際はもっと微妙な変化でした。
(ホネ山の色調補正スキルの限界です。。。)

色としてはそんなに変わらないんだけど、
ドライヤーの方が粒子が動く分(至近距離で当てていました)wムラになりやすいというか。
もし2つの色見本が10円で売られていたら、自然乾燥の方を買っちゃうだろうな~と。
絵を商品として売ることを意識すると、自然乾燥にした方がちょっとだけ綺麗に発色するかも???って感じの温度感です。

こういう方にオススメ

まず、自分で絵の具を作りたい!作っている方は、読んだ方がいいと思います!
絵具の原料について、これより詳しい記述の本を見たことがないです。。。

あと画材マニアにはもちろんおススメです!
ここぐらいにしか載っていない話が多かったので、気になる方は是非読んでみてください~!

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