- ハルモニア大好評!第2弾が生まれました
- まずは色見本を見て欲しい
- またまた制作秘話を聞いちゃいました!
- Q1:数色追加ではなく、また12色一気に作ろうと思ったきっかけはございますでしょうか?
- Q2:昨年6月に募集された、ハルモニア新色のリクエストを見たときの感想をお聞かせいただけたら嬉しいです。
- Q3:今回の12色はリクエストから片っ端から作られたのでしょうか?社員の方のアイデアも入っていますか?
- Q4:作るのに苦労した色を教えていただけませんでしょうか?
- Q5:作成を諦めた色とかあったら教えていただけませんでしょうか?
- Q6:凄く個性的な色だと思いますが、海外に販売する予定はないですか?
- Q7:ハルモニアを楽しんでいるユーザーの方に、何か一言ございましたらお願いいたします!
- 補足1:色名のみを小出しに発表したプロモーション方法について
- 補足2:開発の中で最もテンションが上がった場面
- 分離色の限界に挑戦した12色をドドンと紹介!
- 分離色ってどうやって使えば映える?
- 諸々の準備の後に描いてみました!
- みんなのアイデアをもとに制作された12色
- 事前プロモーションもすごく面白かったのです
- 終わりに
- ハルモニアプラス リンク
ハルモニア大好評!第2弾が生まれました
第1弾はとても好評で、クサカベさん社内は大忙し!だったと伺いましたハルモニア。
6月の新色案募集から約半年強、待望の新色が爆誕いたしました!!
まずは色見本を見て欲しい
ということでいきなりですが12色の色見本です!
何はともあれ、まずは色を見て欲しいと思いまして!
特徴といたしましては、今までの分離色では珍しい、とにかく明るい色&パステルカラーと暖色多め!
特にプラセオジムイエローの沈む様子がとても新鮮です。
従来のクサカベの「可愛いパステルカラーや蛍光色が沢山そろっているメーカー」のイメージと、ハルモニア以降の「マニアご用達分離色」のイメージが合体したような12色だと思いました。
「私達が頭をひねって開発した分離色はこれだ!」というアイデンティティの結晶のような色です。
あ、第1弾の記事はこちらです!
またまた制作秘話を聞いちゃいました!
第一弾の記事にもございましたが、今回も制作秘話をお聞きいたしました!
ボリュームたっぷり&開発の場面が見えてくるような内容をお聞きすることが出来ました。
ありがとうございます!
いつもの通り、ここだけは読んで欲しい!と思います!
Q1:数色追加ではなく、また12色一気に作ろうと思ったきっかけはございますでしょうか?
A1:新色としてイメージしていた数が10色弱あったので、キリ良く12色にしました。
Q2:昨年6月に募集された、ハルモニア新色のリクエストを見たときの感想をお聞かせいただけたら嬉しいです。
A2:黄色・赤系、中間色が欲しいというのは予想できていました。
「そう、そういう色作りたいんだよ!」っていう感想でした。
Q3:今回の12色はリクエストから片っ端から作られたのでしょうか?社員の方のアイデアも入っていますか?
A3:リクエストいただいた中からも、社内からも両方です。いろいろなところからイメージはもらいました。
Q4:作るのに苦労した色を教えていただけませんでしょうか?
A4:ポッターズピンク(PR233)の生かし方に苦慮しました。
きれいなピンク色なので黄色などと合わせると茶色くなり、赤と合わせると負けてしまいます。
結果、ウルトラマリンバイオレット(PV15)と合わせてシフォンピンクが出来上がりました。
Q5:作成を諦めた色とかあったら教えていただけませんでしょうか?
A5:ありすぎて。。。似たような色を含めて数百色作りました。。。
Q6:凄く個性的な色だと思いますが、海外に販売する予定はないですか?
A6:ご依頼があれば。輸出している国もあります。
Q7:ハルモニアを楽しんでいるユーザーの方に、何か一言ございましたらお願いいたします!
A:SNSなどでの皆さんのご意見、うれしく見ています。今回は明るめの色が多いので楽しんでください。
あまりうまく色が分かれない方は水を多めにして使ったり、水を敷いた上に塗ったりしてみてください。
これまで使ってこなかった顔料も多く使っていますので、「沼」の方々にも喜んでいただけるかと。
補足1:色名のみを小出しに発表したプロモーション方法について
色名のみを小出しにしたのはリクエストを聞いたこともあるのですが、社内で「この名前どんな色だと思う?」と聞いたのがきっかけでした。
補足2:開発の中で最もテンションが上がった場面
今回の開発で最も興奮したのは、ポッターズピンクやプラセオジムイエローが買える!ってなったときです。
それがなければ増色はかなり難しかったですね。
分離色の限界に挑戦した12色をドドンと紹介!
前回同様、通常のフォーマット(ウォーターフォード細目)とライムスキン紙(現在入手困難)に塗りまして、分離っぷりを確認しました!
1色1色について、軽いコメントを添えてご紹介致します。
13 シャイニー ブリザード/凍える吹雪
青と黒と雲母のキラキラが入った色。
名前の通り、とにかく寒そうな色です。
この色だけキラキラが入っているので、画材屋さんのツイートでもよく話題になります。
オフィシャルでも大寒波の日にこんなツイートが。
14 カリビアン アズール/カリブへの航海
緑寄りのブルーとバイオレットがほのかに分離する色。
穏やかな分離なので、単純に明るい青として使ってもいいかもしれません。
この色にはコバルト バイオレットが入っているので毒性が気になる方もいらっしゃると思います。
毒性につきましてはこちらの記事に気合入れてまとめております!
一言でいうと、「めちゃめちゃ神経質になる必要はない」って感じですが、
心情とご相談の上GETをご検討くださいませ!
15 ドリフト アイス/恵みの流氷
こちらは水色と紫の、パステルカラーの分離色!
パレットの上でもよく分離していました。
白いパーツの影に使うと、色味の複雑さを表現できておススメです。
16 ライム スパークル/はじける果実
黄緑と黄色の明るい分離色。非常によく分離します。
第1弾のハルモニアに無い明るい緑がチャーミングです。
ミントベリル(第1弾)やカリビアンアズールと組み合わせたり混色しても綺麗です。
17 ゴールド シトリン/輝く黄水晶
黄色とオレンジがほのかに分離する色。
分離を気にせずそのまま使っても深みのある色だと思います。
黄色が1色あることで、ハルモニア縛りで絵を描くときにとても塗りやすくなりました!
18 フェアリー コンクパール/妖精の真珠
今回ホネ山イチオシ!ピンクと黄色のパステルカラー分離色です!
とにかくかわいい!こういうのが見たかった!と個人的に大喜びでした。
(画風にも寄りますが)リアル目の人間の肌に使うと、ピンクと黄色が微妙にまだらになって、情報量が増えてお得だと思います。
デフォルメの利いた萌え絵ですと、水を伸ばす角度を気にすると分離を生かした絵になります。
黄色が沈み、ピンクが伸びるので、「明るい部分→暗い部分」へと水で伸ばすことで、黄色からピンクへグラデを作ることが出来ます。
19 マンダリン カーネリアン/情熱とエナジー
顔料面では、フェアリーコンクパールから白が入っていない色ですが、とっても使い勝手がいいです!
赤と黄色と併用すると、この分離がちょうどいい中間地点になってくれるというか。(説明が難しい)
黄色と赤(オレンジ)が分離するのが、お花の自然な表現にピッタリで!
今回使ってみてとても気に入りました!
20 クランベリー パンチ/休日のパーティー
こちらもポップで使い勝手のいい色です!黄色がかなり目立って分離します。
作例でも刺し色でチューリップの色に使いました。
21 シフォン ピンク/柔らかなレース
ポッターズピンクとウルトラマリンバイオレットの分離色。
非常に穏やかな分離なので、薄い赤紫として割り切って使ってもいいかもしれません。
こちらもドリフトアイスと一緒に白パーツの影にしたり。
そもそも、透明感のあるライラック色が珍しいので、分離が必要な場面以外でも重宝しそうです。
22 ジオグラフィック/大地のささやき
ありそうであまりない、黄土色の分離色。
分離というよりは色がレイヤーに分かれて点在しているような質感で、独特です。
リアルな土の表現に使えそうです。
コバルト バイオレットが入っています。
23 ファントム ミスト/妖しい霧
シュミンケのツンドラバイオレットなど似た色はあると思いますが、ちょっとアプローチが違うというか。
ハルモニアの方がまったりとしたグレーの分離になっています。
↓参考:ツンドラバイオレット(シュミンケ)
ホネとしてはどちらにもいいところがあると思いますが、今回のファントムミストは汎用性があって使いやすいと思いました!
髪の毛など黒いパーツを薄めに塗るときはもちろん、この色を白パーツの影色として使っても面白いと思います。
24 レイブン バトラー/漆黒の執事
珍しい黒の分離色。粒子の違う顔料たちが混ざって確かに分離します。
作例では締め色として使わせていただきました!
コバルト ブルーが入っております!
分離色ってどうやって使えば映える?
今回の第2テーマ。「分離色を使ってキャラクターイラストを描く」
それもそのはず、自分の絵はとてもなめらかな塗りなので、分離色の作例をどう作るかでなかなか悩みまして。
前回が「分離色はただ塗るだけで楽しいし、作品やグッズになる!」というメッセージだったので、今回は別方向のメッセージにしたいと。
今度はキャラクターに挑戦するか~!と重い腰を上げましたw
まずは何も考えずにキャラクターイラストに使って「自分ならどうやって分離色を映えさせるか」を考えました。
実際塗ってみて考えたのがこちらです。
塗りにテクスチャがガッツリ出るので、線が細いと塗りに負ける。いつもより線を太く濃くする。もしくは主線無しの絵にする
細い線の時の写真がないので何とも説得力がないのですが、分離色のテクスチャと消えかかった主線がマッチして(?)いつもより汚く見えました。。
太めの線でコントラストをしっかり付けることでカバーできると感じました。
大き目サイズの絵の方が描きやすい。
小さいサイズの絵の方が分離が相対的に目立ちます。
逆に大きいサイズの方が分離を単純にテクスチャとして扱えます
どう使うか悩みどころですが、大き目のサイズの方が作品の難易度は下がるかな~と。
今回の作例もそれを狙って顔アップにしました。
重ね塗りするほど分離が分からなくなっていく
特に作例の首元を見ていただけると痕跡が見えるのですが、
フェアリーコンクパールで黄色が濃く出たのですが、上から更にクランベリーパンチを塗った所、
オレンジと赤の分離になり、ちょっと色が分かりにくくなりました。
こんな感じで重ね塗りしていくと分離がどんどん目立たなくなっていくので、
重ね塗りしまくるタイプの絵描きさんは「どこまでを分離させて、どこから影を重ね塗りするか」いつもよりも計算が必要だと思います。
分離を生かすなら、最初から濃く塗ってにじみ一発勝負!
薄く、水少な目で塗ると分離が出にくいので、水もたっぷり使う。
分離色のイラスト作例なので、出来るだけ分離させたいですが、分離させるにもコツがいります。
水多めにすると分離しやすいのですが、意図していない方向に絵の具が流れるのが大変でした。
最初に水を引かずに「濃い目に塗る→塗った部分に後から水を置く」で、エッジを残しつつ分離させることが出来る
ということで、分離を生かしつつアニメ塗りをするための方法に気づきました!
この塗り方に気づいたときには本当に「助かった~!!」と思いました!
作例ではこの塗り方をメインに使っていきました
ちょっと静止画だと分かりずらいので、動画を撮りました!これで分かるかな?
【テロップ全文】
分離色で薔薇を塗る
アニメ塗りしながら分離色を分離させる塗り方です
まず、濃い目に元の色をアニメ塗りします
塗った上から水の沢山付いた筆でなぞります
すると、分離色が分離し出します
ティッシュで一部の水を吸い取ると分離が目立ちます
他の花びらも同じように塗ります
①分離色を濃く塗る
②塗った上を水でなぞる
③ティッシュで水を吸う
ちなみに使ったのはハルモニア プラスのマンダリンカーネリアンという色です
オレンジと黄色が分離して花にピッタリ!
塗り終わり!ご視聴ありがとうございました
人物で塗りのテストをし、ようやく安心して作例が塗れました!
諸々の準備の後に描いてみました!
そんなこんなの試行錯誤の末に出来たのがこちら。
12色全部使うデザインにしまして、余すところなく使っております!
紙を何にしようか迷い、アルシュにしました。
水彩紙の中では「彩度高く重めに発色する」紙だ(と思っている)ので、
今回みたいにあまり重ね塗りせずに強い色を出したい場合にはぴったりでした。
普段は中間色多用したグレーがかっているホネ山の絵ですが
今回は分離を生かした明るめの発色で仕上げました!
背景はもちろん分離していますが、実はお花も細かく見ていくと分離しています。
肌も鼻のあたりの黄色はフェアリーコンクパールの分離を利用しています。
普段大きいサイズに顔アップの絵を描かないので、手数は少ないのですが脳みそはフル回転で!
結果いつもよりもMPを消費しましたw
みんなのアイデアをもとに制作された12色
そして最後はハルモニアが出来るまでの軌跡をまとめました!
昨年春に発売されたハルモニア、何と6月にはハルモニア新色の募集がございました!
「えっ!リクエストできるの?!」なんて驚きの声がTwitterで響いていましたね。
#ハルモニア新色希望 のタグを今見て回ると、パステルカラーの分離色やオレンジ系の分離色など沢山リクエストされていて。
「結構叶っているじゃないか!!!」と思わずツッコミを入れてしまいましたw
事前プロモーションもすごく面白かったのです
そして盛り上がった(ジリジリもさせられたw)事前プロモーション。
ハルモニアの魅力でもある「その通りとしか言えない名前」から色を連想するという企画でした!
いろんな方が色を予想していましたが、当たっていたり全然違う色だったりで、Twitter上でもにぎわっていました!
ホネも予想しました。リアルタイムでは最初の2色しか混色できなかったので、後追いです。
シャイニーブリザードとレイブンバトラーはいい線言っていると思うんですよね?!
他はかなり外していますwww 色は似ていても、分離の仕方を外していたりなど。
分離色についての固定観念がこびりついているというか、頭が固いと思いましたw
全色の問いに関しましては「#新色発売まで待てない」のハッシュタグで確認することが出来ます!
私、このプロモーション凄いと思いまして!
Twitter上で長く話題を保つための、お手本のような告知方法だと思いました!
終わりに
楽しんでいただけましたでしょうか?
今回のハルモニアは緑やマゼンタがなく暖色に寄っていますが、頑張って色彩計画立てれば12色だけでキャラクターは描けます!
第1弾のブルーホールやパープルスピネル、サンライズブロッサムを足せばかなりバランスよくなりますので、一通りの主題は描けると思います。
「分離色は使いどころに悩む。。。」と思う方も、(第1弾、プラスともに)使ってみると結構便利だなぁ!と思わせるのがハルモニアの色チョイス。
ちょっと分離色使って色の情報量足してみるか~というような軽い気持ちで使うのがいいかもしれません。
本当はハルモニア+1色の組み合わせで混色についても書きたかったのですが、
それはまた分離色記事が出来たときにしようと思います。(もしくは追記)
ではでは!