こんにちは。ホネ山です。
今回はアナログで描くときに壁に当たりがちな「光の色の影響」について、時間帯別に説明していこうかな~と思います!
※今回は2次元デフォルメ系の絵描きさんに向けての解説です。
リアル系の方だとやりすぎになるかもしれないので、そこはご了承ください!
まずは事例!夜背景の時の色って物体の固有色から大きく変わるよね。
たとえば、こういう配色のキャラクターがいたとします。
髪の毛は金髪、襟は黒に金フチ、マントは青、シャツは白です。
「このキャラクターを夜背景にした時に、各パーツの色はどうなるか」が今回のテーマです。
比較を用意しました!
左が夜背景+物体そのままの色(固有色)で塗ったもの。
肌色はいつもの肌色、金髪なら金のまま、襟の黒もそのまま塗っています。
一方、右が夜背景の空気に合わせた色で塗ったものです。
パーツ毎に色を見ていってください。肌色も金髪も大分夜に寄せて、くすんでいます。
スポイトで色を抜き出してみると、各パーツ、こんなに色が違います。
この2つのスタイル、正直どちらを選んでもいいと思います。
画風と”見せたいものをどう強調するか”でチョイスしていけばいいものだと考えています。
でも、「ホネ山の作風」としては空気の色を含んだ表現を選びたく!
周りの空気の影響を各パーツの色に反映させた仕上がりで絵を描き続けたいです。
また、右の表現方法で、色をどう作ったらいいかの解説&メイキングって、(デジタルではたまに見るけど)アナログではあまり見かけないですよね。
特にキャラの肌をジョンブリアン系以外で塗るのって、結構勇気入りますよね。
と思いまして、なるべく普段考えていることを理屈から展開していこうと思いました!
【考え方】「固有色」と「光と影(光の効果の色)」を分ける
色は無限にあるので、いきなり「暗いときや夕焼けの時にどんな色を選べばいいか」を考えると頭がパンクしてしまいますw
なので、自分は「固有色」と「光の効果の色」に分けて考えています。
こちらの講座の「塗り方について1」の画像が、自分のイメージに近いので貼っておきますね!
ザックリなデジタルですが、自分も描いてみました!
「固有色」と「光の効果の色」この2つが合わさって、物の色を作っていく
そして
この光の効果の部分が、時間帯別によって色が変わっていく。という理屈です!
時間帯別に光を描き分けてみよう!
(ちょっと誇張していますが)時間帯別での光を反映致しました。
光の効果なし(固有色のみ)で塗るとこんな感じです。
パーツの固有色はこんな感じです。。
また、太陽高度の話が出てくるので、分からなくなったらこちらの説明を読んでいただければと!
朝
光の効果の色は下記のようなグラデ。
固有色に光の効果の色を混ぜると下記の6色のような色になります。
太陽の高度がまだ高くないので明るい部分にうっすら山吹色のような色が見られます。
影部分は実物を観察すると青紫なのですが、朝のさわやかさを表現するために、自分は青緑~空色で表現することが多いです。
朝の空気を表した絵ですと、このアイキャッチ絵ですね。
昼
光の効果の色は下記のようなグラデ。
固有色に光の効果の色を混ぜると下記の6色のような色になります。
明るいところの山吹色が抜けて、単純に青~紫の影って感じになります。
真昼間をイメージした絵だとこちらがあります。
青紫成分が多いと気温低めの印象に仕上がります。
もうちょっと温かめに仕上げるなら「朝」の青緑基調の絵の要素を取り入れてもいいかもです。
夕
光の効果の色は下記のようなグラデ。
固有色に光の効果の色を混ぜると下記の6色のような色になります。
光はオレンジ、中間を赤にして、影は紫~藍で塗ることが多いです。
これは分かりやすいですね!
夕方の光は強烈なので、固有色薄め、光の効果強めにするとしっくりくると思います!
マジックアワー(夕方と夜の間)を描くときは黄色をハイライトのみに抑えて
マゼンタ~藍で塗るとそれっぽくなるはずです。
夕方の絵だとこれがありました!
夜
光の効果の色は下記のようなグラデ。
固有色に光の効果の色を混ぜると下記の6色のような色になります。
夜の光だけだと絵が描きにくいので、人工的な光を足すことが多いです。
人工的な光を足すことについては下記の2記事の作例がありました!
実際塗るときどうする?
固有色と光の効果の色は混色にする?重色にする?
混色の方が綺麗に仕上がると思います。
下記は固有色+光の効果の色を重色で仕上げたのですが、光の効果の色がムラになると仕上がりがあまり美しくなく。。。
(特に肌に補色を混ぜた場合に悲惨になるw)
最近の自分はこんな感じで塗っています。
「固有色+光の効果の色」でまず一巡パーツを塗る
→影色(光の効果の暗い方の色)を重ねる
補色混ぜるのちょっと怖いんですよね。特に肌とか。。。
補色をダイレクトに混ぜるのではなく、
色相環上でちょっとずれた色(中間の色)を混ぜるの、大有りです!
例えば、肌がオレンジ、光の効果の色が青だとしたら、
そのちょっと手前のマゼンタ~紫あたりを混色でチョイスすると、(デフォルメ上)上手くハマって見えます!
自分が肌にライラック(ホルベイン)を足すことが多いのもこの理屈です。
それに気づいて塗ったのが下記のイラストです。
「肌をジョンブリアン+紫色」、「金髪を黄土色+紫」の混色で塗っています。
なので、自分の場合、固有色と光の効果の色が補色関係になりそうなら、
色相環でちょっと手前の色を混ぜることが多いです。
終わりに
普段塗っているときに考えていることをまとめました!
自分としては「こういうの1つあるといい記事かな~」と思っているのですが、伝わるかは正直自信ないですw
でも凄く書きたかった内容です!
何とか伝わってほしいので、分かりにくいところありましたら教えていただけますと加筆しようと思います。