こんにちは!ホネ山( @jam732142 )です!
今日は個人的にどうしてもモノにしたい、水彩の発光表現について、
思ったことを描いてトライしてみました。
(前置き)自分の元々の絵柄や書きたいものについて
ホネ山は透明水彩に出戻るまで、CGで10年ぐらい描き続けていました。
どちらかというとソシャゲの立ち絵みたいなものが描きたいんですよね~。
下記は途中のCGです。
これを水彩で表現しようとすると、右のアップ絵は何とかなると思いますが、
問題は左の杖からブワッと出ているエフェクト。
そう、水彩は薄い色を塗り重ねていくという特性から、発光の表現がとても苦手です!
CGの覆い焼きカラーや加算みたいに、暗い色の上に発光用のレイヤーを置くということが
事実上不可能なんですよね。
でも、絵柄上、どうしてもここを避けられないということで。
難しくても出来るようになったら記事になるじゃないか!と思いましていろいろ研究してみました。
まず、発光している物体の写真を観察してみる
と、こんな感じで素材サイトから発光の写真を持ってきました。
これらの素材を見ながら、共通点を探っていきます。
↓光源の強さや距離はありますが、分解するとどの画像もこんな感じの構成のようです。
ようは、これを再現出来れば、光って見えるというわけです!
ってことは、きっとこんな感じで塗れば光が作れそう!
- 光源は大体白か彩度の高い色(オペラの薄塗りや蛍光とか使ってもよさげ)
- 発光物体の輪郭を、薄い光の色でごく短くぼかす
※ティッシュでふき取りながら輪郭を作るか、マスキング使う - そろそろ乾きそうかな?というタイミングで光の色(この場合オレンジ)を滲ませる
- 3の周りを「元の色+光の色」の色相の、彩度の高い色で塗る
(この場合赤寄りのオレンジ) - 元の暗い色を塗る
基本の発光ーハートを発光させるー
ということでやってみましたが、なかなか理屈通りにいかず、試行錯誤しました。
で、ようやく光って見えるようになったのが下記。
ぼかしを周りに入れて行くうちに。どんどん内側に影色が侵食していくので
最後にまっ黄色など明るい光の色を内側に入れて、外に対して滲ませるのがポイントだったようです。
と、描いてみたものの、水加減が難しすぎる!
なるべく滲みをコントロールするために、最初に髪全体にオックスゴールを敷いたり、
使う水は極力少なくするのも大事です。
もうちょっとコントロールできるようになったら追記します!
応用ー雷を描いてみるー
自分のオリキャラが「雷魔法が得意」という設定を作ってしまったのでww
必要になった雷の描写。
これも発光の理屈は同じです。
マスキング無しの紙でチャレンジしたので、輪郭を取るのに水彩色鉛筆を使っていますが、
紙をウォーターフォードなどマスキングに強いものを使って、
最初にマスキングしてしまうのがおすすめです。
発光表現について書いてある本(2022/6/26追記)
こちらの技法書にも発光表現が書いてあります!
多重マスキングでの発光テクニックでした!
2回以上マスキングですと、紙をかなり選ぶというか、ウォーターフォード中目推奨かな~と思いました。
マスキングの紙比較はこちらの記事にございます!
実際に作品で反映してみました!(2022/6/26追記)
ということで、暫定版から約1年越しですが小作品を作ってみました!
反省はありますが、個人的には発光場面が描けたとぼちぼち満足していますw
そうなんです!こういうのが描きたかったんです!
マジで諦めなくてよかったと思います。
ここからは、発光シーンを描くために気を付けたり工夫したことを書いていきます!
発光パーツに蛍光色を使う
エフェクトはなるべく明るい色を使った方が光っている感が出るので、自分は蛍光色を使います。
今回はオペラ1色で描きました。
展示に出したり販売目的の方にはあまり向いていないと思いますが、ちょっと蛍光色を混ぜるだけでもぐんと明るくなるので、背景とのコントラストつけるためにはお勧めです。
蛍光色はクサカベ(恒常)、シュミンケ(限定色)、ポールルーベンス(多分売切れ次第終了)で出ています。
オペラ以外での発光を見たい方はこちらの記事の作例へ。
リフティング・プリパレーション メディウムを使う(マスキング出来ない紙の時)
今回使った紙は(自分がメインで使っている)ストーンヘンジアクア細目。
この紙はマスキングにとても弱いので、多重マスキングでの発光表現は夢の夢です。
ということで使ったのが、ふき取りがしやすくなる「リフティング・プリパレーション」メディウム。
これを紙全体に塗ってから色を置いて、光らせたいところをティッシュで拭き取ると、光るはず!というわけです。
このメディウムの実力はこんな感じ。
真っ白ではないですが、ふき取ったところがかなり白くなるメディウムです。
下記に記事もあります。
リフティング・プリパレーションメディウムを下に敷く
→背景を下塗りする
→オペラでエフェクト塗る
→発光の中心部分や背景との境をティッシュで拭う
でできたのが上記の段階。
この段階ではまだ汚いですが、周囲を書き込むことによってちゃんとした絵になると信じます。
物体にエフェクトの色を反映させる
そして、より光が当たっている感を出すために、物体の色にも光の色(オペラ)を反映させます。
服のようにざらっとした感触のものは混色で、紙のようにつるっとしたものはハイライトとのキワに光源の色を入れるとそれっぽくなるような気がします。
と、こんな感じの理屈で全体の色にガンガンとマゼンタを混ぜていきます。
影は濃い目の青紫(自分はミジェロブルー使いました)を混ぜて暗さを強調します。
極端な色の光が当たっているシーンで資料を見たいときは、ライブレポの写真を参考にするとわかりやすいと思います。
バックをベタにすると難易度が激上がりする。背景描いた方が楽
前半の理屈画像を見ると納得するのですが、濃い色を重ね塗りすると、ムラが出がちです。
特に、発光×ベタ背景にするとムラが出るせいで美しく仕上がりません。。。
(不透明水彩やアクリルを使うなど、回避策があります)
で、悩んだ末に、「軽く背景入れればいいじゃない」と!
これなら1パーツが細かくなるので、ムラをカバーすることが出来、さらに光の当たり方で発光を強調することが出来ます!
線画を見るとわかりますが、フリーハンドで作ったので、パースとかなっていないですw
大部分はエフェクトに隠れてほとんど見えなくなるから、適当でもいいだろうという甘えです。
でも塗ると、顔とエフェクトに目線がいくので、線画よりも背景のめちゃめちゃ感は薄れます。
ランプの光(2022/09/04追記)
ランプの光も色が付いた光です。
そのため、ピンクのランプの周辺にはピンクの光を、緑のランプの周辺には緑の光を落としています。
白や淡い色のパーツほど色のついた光の影響を受けやすいので、容赦なく帽子は赤と緑の光を当てて塗りました。
線画:さがわゆめこさん( @niwanosuzume3 )
差し込む光(2022/10/10追記)
検索ワードに「差し込む光 水彩」のようなワードが入っていたので、どうやってできるか考えてやりました。
マスキングテープで簡単にできます!
マステを細く切って上手く配置できれば、ほぼ完成したようなものです!
まとめ?(2022/6/26追記)
キャラが魔法使っているシーンが描きたいと思っていましたが、アナログ(特に透明水彩)では結構難しい。
そんな風に考えていましたが、諦めずに何度も描いて、やっとそれっぽく塗ることが出来ました!
その過程と「どんなこと考えながら塗っているか」をお伝えできたら幸いです。
今回の絵だとエフェクトの形や小物を丁寧に描けばもっとクオリティ上がりそうなので、頑張ります!