こんにちは。ホネ山( @jam732142 )です。
今回はセヌリエの透明水彩を全98色塗ったので色見本を紹介していきます!
セヌリエの透明水彩とは?特徴って?
まず歴史が古いこと!
印象派の時代から使われている由緒正しき透明水彩です。
最高の顔料と最高品質のコルドファンアラビアガムを接着剤として使用して、はちみつをメディウムとしてる使い、1世紀以上にわたって同じ方法で製造されてきているよう。(フランスのオフィシャルサイトより)
19世紀印象派の時代の画家たちと、同じ絵の具を使いたい!
というロマンをお持ちの方にはおすすめです!
スタンダード&古典的な色味
後で全色色見本が出てきますが、
セヌリエの色のラインナップはグレーで特徴がある以外、
日本人から見てかなりスタンダードでなじみのある色味です。
下のツイートでシュミンケと比べていますが、セヌリエ(右2枚目)の方が日本の子供向けアニメに色が近くて、シュミンケ(左1枚目)の方が色彩がヨーロッパ寄りのような気がします。
使用している顔料も、歴史のあるメーカーなだけに、カドミウムやコバルトなど重金属系顔料が使われている比率もそれなりに多いような。
キナクリドンだけでたくさんの色のラインナップがあるダニエルスミスとは対照的です。
ハチミツが入っていて溶けやすい!色が鮮やかで濃い!
確かに溶けやすさは随一です!
リス毛など柔らか目の筆を使っていて、あまりパレットでゴシゴシ絵の具を擦りとりたくない方には合っていると思います。
あと、溶けやすい分めっちゃ濃い色がとれます。
濃い濃いと言われていたシュミンケと比べてもセヌリエの方が濃いんです!
正直、こんなに色の濃いメーカーは初めてかもしれません。
ってことで、一色でガッツリグラデを効かせるタイプの作風の方にもおすすめです。
こっち↓がシュミンケで
![](https://watercolor-try.com/wp-content/uploads/2021/05/9dd61193cc7367e66b0a9b3ebb206cde-1024x714.jpg)
下↓がセヌリエです。かなり手加減して薄めているはずなのに、こっちの方が濃いです。
![](https://watercolor-try.com/wp-content/uploads/2021/05/56b96dc71d4e4f36c237e7bc4482e6b8-1024x735.jpg)
メディウムとして入っているハチミツにこだわりあり
成分面ではハチミツが入っていることを推しています。
自前の養蜂場からとってきているそうです!
食品用に精製はしていないようで、はちみつ単体では売ってくれません。。。残念。
舐めると甘苦いとききましたw
ただ、ハチミツをたっぷり入れた透明水彩は結構人を選ぶ面があって、ねっとりしているのが苦手という方も結構いらっしゃいました(アンケートより)。
あと夏場に絵の具が固まらなくて、パレット持ち歩く派には辛い面もありますw
セヌリエをパレットに入れて置いたら、夏溶けて隣の色に侵食していたという話はよく聞きますw
ここに関しては使ってみないと何とも言えないので、
ウォームグレーなど人気の色を一本買って、試してみるしかないですね。。
セヌリエ透明水彩はどこで買えるの?価格帯は?
結構マイナーで、売っているところをあまり見ないセヌリエでしたが、最近手に取りやすくなりました!
販売店について
通販だと色が揃っているのは画材販売.jpさんとChouette artさん、画箋堂マテリエぐらいしか知らないですね。。。
2022/6/26追記:世界堂でも販売開始しています!
Amazonではセット販売+一部の色、楽天ではイエローショップさんが一部の色を販売しています。(ここには珍しいハーフパンもありますが、全体的にちょっと高いw)
リアル店舗では文房堂さん(神保町・池袋)でみかけました!銀座の伊藤屋にもあるらしいけど私は未確認。
価格帯について
大体1本1000円前後です!お高めの海外絵の具の標準的な値段といったところです。
セットでもあまり安くならないので、バラで気に入った色を単品で買いそろえていくのがよさげ。
そしてドットカードはありません!
絵の具がとても柔らかい性質のため、ドットカードを作りにくいとのこと。
ただ、セヌリエの方も、イベントでお話した際、近年のドットカード人気のことを気にされていて。
何とかしたいとおっしゃっていたのが印象に残っています。
なので、購入の際は色見本を見てじっくり考えて購入いただけたらなぁと思います!
今回はOto Kano( @otokano_art )さんにご協力いただき、手作りの全色ドットカードをいただきました!
Oto Kanoさんは海外の画材研究系YouTuberで、一つ一つの色の検証をもの凄い詳細にされています。
凄いです!マジで敵いません!!
おまけ:パンフレットの耐光性表記について
セヌリエのパンフレットを見ると、耐光性が2つあります。
イベントでメーカーの方に教えてもらったところ、
I、II、III、n.rなどローマ字で書かれている方がASTM(米国材料試験協会で、日本のJISみたいな機関)の基準で、***のマークで書いてある方がメーカー基準とのことです。
全色詳細リンクです!
黄色
オレンジ
赤
ピンク
紫
青
水色
青緑
緑
黄緑
黄土色
茶色
赤茶色
白
グレー&黒
画像だけ見たい方用、全色カラーチャート
![](https://watercolor-try.com/wp-content/uploads/2021/04/ffe5b27386a7aecdd17d97a804c0e72b-600x384.jpg)
![](https://watercolor-try.com/wp-content/uploads/2021/04/c797f8921ce7b0ec0f139c0b5ed65fef-1024x735.jpg)
![](https://watercolor-try.com/wp-content/uploads/2021/04/be753244bc3f1e6957914259078224e8-1024x735.jpg)
![](https://watercolor-try.com/wp-content/uploads/2021/04/56b96dc71d4e4f36c237e7bc4482e6b8-1024x735.jpg)
![](https://watercolor-try.com/wp-content/uploads/2021/04/8ece889f83aa298c2d0f4ec2b62e9c94-1024x735.jpg)
![](https://watercolor-try.com/wp-content/uploads/2021/04/175ee1e4d8ee1d09676bc180a27ea50a-1024x735.jpg)
全色塗った中で、ホネ山のおすすめ色を紹介するよ!
ここからはホネ山のおススメ色紹介です!
なんといってもお上品なグレー!!
セヌリエのグレー3色は最高です!
まずいろんなところに混色せずそのまま使えるのがGOOD。
そして混色してもいい感じに元の色を和らげてくれます!
Warm Gray(ウォームグレー)
![](https://watercolor-try.com/wp-content/uploads/2021/04/warmgrey-1-1024x317.jpg)
何と言っても一番人気色!
「似た色がほかのメーカーにない」というのは大きいです。
この手のベージュは混色で作れなくもないですが、同じ色を2回3回す来るのが大変なので
1色持っているととても捗ります!
ファンタジー系のイラストの背景などに大活躍する色です。私も単色で持っています。
Sennelier Gray(セヌリエグレー)
![](https://watercolor-try.com/wp-content/uploads/2021/04/senneliergrey-2-1024x315.jpg)
そして今欲しくてたまらないセヌリエグレー。
灰緑のグレー色でめっちゃ上品です!
これもファンタジー系イラストの背景や下塗りにぴったりですね。
Light Gray(ライトグレー)
![](https://watercolor-try.com/wp-content/uploads/2021/04/lightgrey-1-1024x312.jpg)
そしてこれも欲しい(略)
銀髪の髪の毛の表現や銀の金属の表現、雪景色に合うんじゃないかと思います!
分離色もあります
Cobalt Vioret Deep Hue(コバルトバイオレットディープヒュー)
![](https://watercolor-try.com/wp-content/uploads/2021/05/cobaltvioletdeephue-1024x326.jpg)
キナクリドン マゼンタとマンガニーズ バイオレットの混色なので、微かに分離します。
華やかでかわいい色なので、お花はもちろん、リボンや洋服に塗ると良さそうに思います!
サクラマット透明水彩に近い色がある?
なぜかサクラマットとよく似た色があったのでご紹介。
サクラマットで気に入って、専門家ラインで似た色を探している方は是非。
Forest Green(フォレストグリーン)
![](https://watercolor-try.com/wp-content/uploads/2021/04/forestgreen-1-1024x323.jpg)
「ふかみどり」と同じような感覚で使うことが出来ます!
改めて見るとめちゃくちゃ似ている色です。
Emerald Green(エメラルドグリーン)
![](https://watercolor-try.com/wp-content/uploads/2021/04/emeraldgreen-1-1024x326.jpg)
こちらはちょっと黄色よりかもですが、白の混ざった緑はあまりないような気がして。
セヌリエ三原色はこれだ!
ガザラボの3原色ドットカードには、この3色がチョイスされていました!
Opera Rose(オペラローズ)
![](https://watercolor-try.com/wp-content/uploads/2021/04/operarose-1024x308.jpg)
耐光性はちょっとビミョーなオペラ。
でもマゼンタとしてセレクトされていました!
Cinereous Blue(シネリアスブルー)
![](https://watercolor-try.com/wp-content/uploads/2021/04/cinereousblue-1-1024x306.jpg)
直訳すると「灰色のブルー」。ブルーグレーにしては鮮やかなような??
Sennelier Yellow Light(セヌリエイエローライト)
![](https://watercolor-try.com/wp-content/uploads/2021/04/sennelieryellowlight-1024x315.jpg)
こちらはスタンダードなイエロー。
溶けやすいと聞くけど、重ね塗りは出来るの?
枯葉庭園さんのサイトのセヌリエ記事で、「あまり重ね塗りしない方がいいかも?」と書いてあったので、重ね塗りの検証もしてみました。
紙はアルシュ極細。
重ね塗りが必要で、ガッツリコントラストの出るキラキラ系の絵にしてみました。
![](https://watercolor-try.com/wp-content/uploads/2021/05/61a9d5cde6f3f626d5e4d9b74081a710-709x1024.jpg)
結果、重ねられなくはないけど、重ねたところはちょっと荒れ気味
って感じでした。
使っている筆がリス&猫の柔らかい筆なので、絵の具をふわっと重ねることには長けているのですが、イタチとかコシのある筆の場合は、下の色を溶かしそうな予感がしました。
あと、使った色が粒状化色(ターコイズグリーンやウルトラマリン)が多かったので、それで荒れ気味というのはあります。
特に緑のキラキラのところがかなり粒状化していますね~。
逆に、リフティングはしやすかったです。
溶けやすいので、ちょっとはみ出しても水を付けた筆でなぞれば結構洗い出せます。
案外初心者向けなのかもしれません(初心者に進めるにはお値段が。。。w)
終わりに
98色なので他のメーカーさんよりは楽でしたが、それでもそこそこ時間がかかりましたw
スタンダードな色味に見えて、メディウムに特徴のあるセヌリエ。
印象派の時代に思いを寄せてながら使ってみるのも趣がありそうですね。
まずはグレーから試してみるのがおすすめです!!