こんにちは。ホネ山です。
今回は「水彩ちょっと始めてみたいんだよね!」「水彩上手くなりたいんだよね!」という方向けのまとめ記事です。
4年もブログ書いていて今までなかったんかい!と自分でも思いましたが、関連記事も増えたのでまとめを作ってみようと思いました。
まずは透明水彩イラストの魅力について語ります
透明感
う~ん透明感……なのかな?
水彩ならではのにじみやぼかしを生かした表現というものありますが
CGの水彩のように細かい光の表現をしたり、不透明色を使って透明感を殺した表現をしたりなど
案外自由です。
でも、強い色の表現は画材の性質上出しにくいので、
比較的淡くて繊細な作風がボリュームゾーンになっていると思います。
自分の画風ですと、不透明色やパステルカラーを多用するので、結構不透明な作風になっています。
自分のイラストだけだと何なので、他の方の素敵なイラストまとめを是非!見てください!
原画がある
透明水彩に関わらず、アナログ画材で描いた絵は世界で1枚の原画が出来上がります。
線画をデジタル機器でコピーしたとしても、同じようには塗れません。
原画があることで、原画そのものを販売して価値を付けやすい側面はあると思います。
原画を売りたい場合、東京や大阪など大都市を中心として行われるグループ展示会や、
コミティアなどの創作イベント(いろんな地域でやっています)、
BOOTHで直接販売、
最近はネットでイラストを依頼する⇔されるを完結できる「OSUYO」というサービスなどが使えます。
手仕事の達成感
自分の中では、これが一番アナログ画材に取りつかれている要因かもしれません。
「結構難しい絵を、手で描き切ったぞ~!!」っていう達成感があります。
デジタルの場合、後から色を変えたり暗い色の上に明るい色を置いたりできますが、
透明水彩では(完全に不可能ではないとはいえ)かなり難しく、制約があります。
でもその制約を乗り切って思うように描けたときの達成感は本当にクセになります。
アナログ画材の中では気軽に描ける。コストも安い
水と絵具と筆と紙さえあれば描けます。
場所も比較的取らず、画材の中では初期コストも安く済みます。
5,000円ぐらいあればちょっとしたイラストを描く道具は揃えられます。
※ホネ山のように、道具に拘りだしたり新しい絵の具の色を集めようとすると結構かかります。
それでも趣味の中では高額がかかりにくい分類だとは思います。
色鉛筆も気軽に描ける道具ですが、頑張って描こうとするとすぐ色鉛筆が短くなって補充したり
削りカスを倒したとき結構ダメージが来ます。(経験談)
水彩イラストを描くのに必要な道具って?
まず原画を描くために必要な道具から紹介していきます!
絵具
3原色があれば描けるのですが、なかなか3色で描くのは始めたばかりだと難しいです。
一応こういう記事もありますので、「もう3色買っちゃったよう。。。」という方はこちらへ!
最初は12~18色ぐらいのセットを買うのがおススメです。
学生グレードではなく「専門家用」と書いてあれば、国産と海外製で大きく品質は変わらないです。
最初に揃えるなら、値段もお安い国産で十分です!
ホルベイン
キャラクター系のセットがあるなら、肌に使いやすい色が入っているのでお得です。
(大体限定販売なのである時とないときがあります)
こちらはスタンダードな18色
クサカベ
柔らかめの色がお好きならクサカベ!
ターナー
色のチョイスのバランスがいいです。
筆
ここは好みがかなり分かれるところです。
柔らかい毛が好きか、コシのある毛が好きか。
先がとがっている筆が好きか、丸い先の筆が好きか。
最初は1本1,000円ぐらいの筆を適当に買って
「もっと柔らかい/硬いほうがいい!」「先がとがっている/丸い方がいい!」と不満に思い始めたら用途に合う筆を探すのがおススメです。
でも、大体こんな感じになるかな~とは思います。
濡れた紙に色をポンポンと置いて、にじみメインで描きたい
→コシ強めの筆で、先が丸いもの
アニメ塗りや入り抜き重視で細か~く塗っていく絵柄
→ちょっと柔らかめの筆で、先がとがっているもの。日本画用の筆もおススメです。
水彩紙
これは画用紙ではなく、「水彩紙」という専用の紙を使うことで塗りやすさが段違いです。
画用紙の方が安いですが、ここはお金のかけどころです。
いろんな紙がありますが、一番初めに使うなら
ホワイトワトソン 300gが無難かな~と思います。
上記リンクはA4ですが、最初に買うなら紙の大きさはハガキサイズがおススメです。
最初から大きいサイズにすると「絵を……絵を描かなきゃ!!」とプレッシャーがかかりやすくなり、結局「水彩紙だと気軽に描けない。気合入れた作品を描かなきゃいけない」となり……ました。(過去の経験)
まずはハガキサイズで気軽に落書きして、失敗してもいいや~と紙に絵具をしみこませるだけで楽しいです。
下記2商品だと5~600円でいろんな紙を試せます。
こっちは人気のホワイトワトソンやランプライトが入っています。
こっちは結構お高いセザンヌや、ホネ山の好きなトルションが入っています。
パレット
スーパーの文具売り場に売っている安いので大丈夫です。
12色だと後から絵具の色を増やせないので、18色、24色入れられるものを買うのを推奨します。
水入れ
紙コップで大丈夫です。
絵具をジャブジャブ洗う汚い水用と、きれいな水を入れておく容器の
2種類用意したほうがいいです。
ホネ山は3部屋ついた小さい水入れを使って、マメに水を変えています。
画板・マスキングテープ
無くても塗れますが、あると便利です。
画板の上に水彩紙を固定し、マスキングテープで四辺を丸々貼り付けることで
紙が水でボコボコになりにくくなります。
マスキングテープはスーパーの文具売り場や文房具屋さんにある物で十分です。
貼るとこんな感じ
「マスキングテープで紙がボロボロになっちゃったよう」という方にはこんな記事もあります。
ここからは、描いた絵をネットにアップしたり、デジタルで下書きを描きたい場合に必要な機器について説明します。
携帯のカメラ
スキャナーが無い場合はこれで。
画質はいいに越したことはないですが、お値段も高いので無理せず!
スマホ写真の補正方法はこちら
写真そのものを盛りたいときの小道具について
最近は「小道具で絵をさらに良く見せる」作家さんも増えています。
スキャナー
ネット上でガッツリ作家活動したい場合には必須になってくるスキャナー。
これは「CCDスキャナ」という種類を買うのが断然おススメです。
プリンター
デジタルで描いた下書きを、トレス台やチャコペーパーで写すなら、機種は何でもOKです.。
デジタルで描いた線画をそのまま水彩紙に印刷したい場合は顔料インクプリンターもしくはレーザープリンターで可能になります。
でも水彩紙は分厚い紙が多いので、紙詰まりの原因になったり……あくまで自己責任でやるしかないです。
トレス台
紙に直書きするのが苦手。何度も消しゴムを使って修正しながら描く。
という絵描きさんには必需品かなと。
光の力で紙を透かせることで、下絵を本番の紙に写して描くことが出来ます。
下記は私が使っているトレス台です。
個人的にはB4サイズがおススメ。
A4などの大き目の絵を描くときも、スペースに余裕があって描きやすいです。
デスク周りが狭い方はもう少し小さいA4サイズの方がいいかも。
また、トレス台はたまに100均や雑誌の付録にもついています。
流石に耐久性は、おおっと……。な感じでしたが、初めて試すならアリです。
お絵かきソフト
スキャンした絵を補正したり、ちょっと加工したりするソフトも欲しいです。
twainドライバが付いていて、スキャナから直接ソフトに出すことが出来る、CLIP STUDIO PAINTがおススメです。
自分はPhotoshopも使いますが、Photoshopはtwainドライバが付いていなく、ソフトから直スキャンできないので、クリスタでスキャンしています。
PCのお絵かきソフトの記事はそのうち書きたいです。
■透明水彩イラストの描き方
ホネ山のメイキングのリンクを貼っておきます。
こちらからご覧ください!
一番詳しい2022年のもの(今も制作手順は同じです)
こちらの記事は、CGからアナログ描きになろうとした際に躓いた点と対処法についてまとめています。
■水彩イラストが上達するには、何をすればいい?
個人的に(透明水彩に限らずアナログイラストを)上達させるために、6つのスキルの方向性があると思います。
画材の使い方
こればかりは「手と頭で覚える」ものなので
描くことをひたすら繰り返して、枚数を描いていくことで身に着けていくしかないと思います。
今はネットや本で沢山の知識を得ることが出来ますので、最初にざっと技法や塗り方について調べ
後はひたすらトライ&エラーを繰り返していきます。
枯葉さんの記事を貼ります。
まず一通り試して「そうなんだ~!」と思いながら、自分の好きな技法を多用していく流れになるかな~と思います。
私は満足に塗れるようになるまで3年ほどかかりました。。。
アナログ絵で生計を立てよう、副業にしようとすると、「ひたすらたくさん描く」フェーズがいずれ来るのかな?と周りの絵描きさんを見ていて思います。
急激にうまくなる方は次から次へと沢山描いています。
正確に物の形をとる力(デッサン力?)
ホネ山はここが弱いので、あまり語れないですw
デッサンについては専門のページを見て調べてください。。。
ポーズサイト貼り付けます。
正直、全部アナログで描く必要もないと思っています。
自分で本気絵を描く場合は、デジタルで左右反転して修正したり
アタリをデジタルで作ってそれを印刷し、下書きを入れることが多いです。
色彩構成・色のセンス
色については座学で補えることは結構あるので、
基本的な知識を得るには色彩検定のテキストを一通り読んでおくのがおススメです。
(ついでに資格も取っておくとちょっと安心しますw)
あと、こちらの本もは光の作用を解説し、イラスト向けにどう応用すればいいかを書いた内容なので
慣れてきたら読んでみると世界が開けます!お絵描き慣れてきたら是非読んでみてください!
似たテーマで「カラー&ライト」という凄い本もありますが、こちらはなかなか難しい本です。
描きたいもの(テーマ)を深堀する力
絵の情報量を増やし、鋭くしていく。と。
何年たっても「なんかいいな」と自分で思える絵を描くにはこれが一番重要かもしれません。
例えば「風景の中に人がいて喜んでいる絵を描きたい!」って思ったとき、
書く前に下記のようなことを考えてメモに書き出してからラフを描くと、ちょっと絵がリッチになります。
例)大テーマ:【ファンタジーで、依頼を終えた後の主人公】
・時刻は?(依頼終えた後なので、日が落ちるまでの夕方~マジックアワー)
・舞台設定は?(中東風ファンタジーの街、市場の中。道路は石畳)
・人物はどんな気持ち?(依頼を終えて晴れ晴れとした気持ち。報酬も得たので食べ歩きでもしているかも?)
・人物はどんな服装?(戦闘をこなした後なので、少しボロボロ。魔物の返り血が付いている)
・見ている人にどんな気持ちになってほしい?(主人公強そう、お疲れさまって言いたくなる、食べ物美味しそう)
実際描いてみたらこんな感じです。(凄く落書きで済みません)
下記が実際の比較例です。
・上記の「絵の内容」を気にして書いたもの(画像上・テーマ:「古い建物から隠し通路発見!」)
・ただキャラクターを描いたもの(画像下)
このくらい変わります!
これはある程度色々なシチュレーションを描けるようになった、描けるようになりたい方向けの話なので、「まず顔を描くのが大変なんだよ~!!」という方は無視してくださいw
画面を構成する力(構図力)
視線誘導とかここに当てはまるかな。
明暗や配置をコントロールして、モチーフのどこを沢山見て欲しいか考えるのは、なかなか楽しいです。
また、デザインの本とかサラッと読んでおくと
描きたいものの優先順位のつけ方や並べ方の知識が付きます。
度胸(本気で上達したい場合!)
「自分はまだ上手くないよ~」と思っているうちから、人に絵を見せる練習を「気軽な」気持ちでやるのがいい……と思います!
お手軽に見せるにはネットですが、ネットの反応は薄くて厳しいので、リアル友達で絵を見せて褒めてくれる相手を見つけると心が折れずに済みます。
そんな人いないわ!って方は、もう一人の自分を作って爆褒めしましょう!
慣れてきたら雑誌に投稿したり、お金を払って展示会に出たりして
「他の人の絵と並べられたとき、自分の絵はどう見えるか」を意識するような環境に身を置くと、上達のスピードも増します。
誰かに習いたい場合は、好みの画風の先生を選ぼう
初心者だし、自力で頑張るよりまずは誰かに習った方がいいかもしれない。。。
この「誰かに習いたい問題」ですが、その際、先生はよく選んだ方がいいかもしれません。
透明水彩って使い方が人それぞれで、人の手癖がかなり出る画材です。
人によって塗り方、ぼかし方、色使いなどがバラバラなんですよね。
先生たちは複数の絵柄を描きこなすというよりは、一つの作風を極めて大成された方が多いように見えます。
すると、絵柄Aで重視することが、絵柄Bでは軽視されたりなど、受講生(あなた)の方の絵を魅力的にするには遠回りになるケースもあるかと。
「近くにいる先生に教えていただく」というよりは「好みの作風・雰囲気の先生に教えていただく」ことを優先させた方が
満足度は高くなると思います。
ホネ山も年1~2ぐらいでワークショップ開いていますので、行ってみたいなぁと思った際は是非!
終わりに
「初心者向きまとめ作ろう!」と思って描き始めましたが、
ところどころ初心者向けでない、本気で頑張りたい方向けの内容になってしまいました。
こんなにストイックにやってられんわ!もっと簡単にいい感じのものを描きたいの!
という方は、この記事がおススメです。
また関連する内容の記事を書いたら、こちらも追記していきます!