こんにちは。ホネ山です。
今日は私も透明水彩を使う前に親しんでいた画材、「水彩色鉛筆」をどうやって併用していくと面白いかについていろいろ考えていきます!
水彩色鉛筆ってどんな画材?
水に溶ける色鉛筆です!
「溶かすと水彩画のようになる」という説明で売られていることが多いです。
色々なメーカーから出ていますが、その話をしてしまうと1記事分になってしまうので今回は省略。
お店でよく見かけるものを貼ります!
色鉛筆だけで塗ると、普通の色鉛筆画になります。
水に溶かさず塗ってみるとこんな感じ。
線画はカレ子さん(@__kareko_ )から頂きました!可愛らしい絵柄で塗っていてなごみました!
ありがとうございます!!
しかしなんといっても、水彩色鉛筆の特徴としては、水に溶けること!
今回の記事ではその性質を利用してあれこれ試していこうぜ!というわけなのです。
まずはこの画像から。
水彩色鉛筆でハイライトと影を描く
→ウォームグレーの絵の具が付いた筆でなぞり、水彩色鉛筆を溶かす
この順番で作りました。
ここで、個人的に思う水彩色鉛筆のいいところです!
「ピンポイントで色を載せてぼかすことが出来る!!」
この3色グラデの玉の図、原画は10cmもない小さなものです。
この狭い面を透明水彩だけでぼかそうとすると、滲んで色が流れていってしまうことが多いんですよね。
綺麗にぼかすためにテクニックと集中力が要るのです。
↓実際透明水彩だけで塗るとこんな感じです。
水彩色鉛筆で描いたものの方が、黄色と青緑がしっかり乗っていますよね。
水彩色鉛筆をぼかせば、割とその場に色がとどまってくれる。
透明水彩オンリーで細かく塗るよりも、ちょっと楽に小さなモチーフを塗ることが出来るのです。
どんな紙・筆がおすすめ?
紙は?
絶対細目!という訳ではないですが、あまり目が荒くないものがおすすめです。
凸凹の凹の部分に色鉛筆が乗ってくれないためです。
また、水の吸い込みのいい紙がおすすめです。
具体的に言うと何だろう。
細目各種以外ですと、ニューブレダンとかアルティスティコ中目は試していい結果でした!
表面が硬くて水が紙の上に貯まるタイプの水彩紙だと、溶かした水彩色鉛筆が流れていってしまい、コントロールがききませんでした。
筆は?
コシ弱めの柔らかい毛の筆(リスや羊毛・それを模した人工毛)がおすすめです。
ナイロンのコシつよつよの筆でなぞったところ、これまた溶かした水彩色鉛筆が流れてしまい、「せっかく塗ったのに~!」と悔しい思いをしました。
柔らかめの筆でそっとなぞるのがおすすめです。
ホネ山と水彩色鉛筆
実は、キッズのころにお年玉を貯めて買った思い出の画材です。
ファーバーカステルのアルブレヒト デューラー120色!
たしか3万ぐらいで、今よりも安かった記憶がございます。(さっき調べたら4万超していました)
そしてこの色鉛筆を使って中学生だった時に自由研究をしました!
この頃から画材研究をしていたことに気づき、びっくりしましたw
水彩色鉛筆を色々な溶剤で溶かすしています。今とやっていること変わりません。
水彩と併用するときに何に役立つ?
自分もちょこちょこと使うのですが、今回まとめたら意外とマニアックな使い道がいろいろあるなぁと。
ガッツリ試してみたものを3つ紹介します!
その1)下書きに利用する
1:下書きを水彩色鉛筆で描く
2:その上からペン入れする
3:紙全体を刷毛で拭って、水彩色鉛筆を溶かして流す
これで下書きの線がきれいさっぱり消えます!
自分も落書きするときによく使う手段です。
動画撮っていたので、そちらをご覧ください。(ちょっと下書き線が見にくいですが、ピンクの線が下書きです)
「下書きの線消えないよう。。。」というお声もいただいたので、
コツを考えたのですが、この2つが大事なのかな?と思いました。
・筆圧をかけない(紙を撫でるように下書きする)
・色はパステルカラーや薄めの色推奨
完成品はこちらです。
その2)暗い肌の色に、頬の赤味を足す
このリンク先のCG絵のような、顔全体に暗い影が入っている中でほっぺたが赤くなっている表現。
凄くやりたかったのです!
しかしこれを透明水彩で表現すると、肌のグレーと頬の赤味が混ざり合い、意図したようなちょうどいいピンクが出ない(濁ってしまう)のです。
↓こんな感じ。
そこで、冒頭に書いた水彩色鉛筆の「割と色が濃くその場にとどまってくれる」性質を使用して、
頬の赤味をいい感じに足せないかと考えました!
これがペン入れして頬をピンク色に塗ったものです。
後からどんどん重ね塗りしていくので、最初のうちから結構濃い目に塗っていきます。
下塗りの時点ではムラが出ていますが、十分重ね塗りで消せる範疇。期待が高まります。
そして完成したのが下の絵!
ちょっとこれ出来たときに、色味のまとまり具合に興奮しましたw
おおお!いい感じに水彩色鉛筆の赤味が主張し、グレーの肌に赤い頬になりました!
ちなみに重ね塗りはこんな感じでやっていきました。
紫がかったグレーで下塗り
→暗めの固有色を塗る
→紫系グレーを重ねて固有色の彩度を下げる
→紫系の黒で影を塗る
調子に乗ってもう一つ同じことをしてみた絵がこちら。
今度は難易度を上げました。
緑がかったグレーを基調にした色の時に、頬を赤系オレンジで塗ってみるとどうなるかのお試しです。
こちらも成功!ほのかに赤味が伝わるバランスになりました!
頬に赤味を入れる時は塗り方にコツがあって、
色の置き始めは水彩色鉛筆で塗った方と反対側(頬を赤くした場合顎から塗る)からにして、
どんどん色を伸ばしていって(その間に色が薄くなる)最後に水彩色鉛筆で塗った部分を溶かす
という順番で塗ると滑らかに色がぼけます。
その3)塗りの境界に水彩色鉛筆で色を置いてエモい光り方を演出
こちらもCGでよく見る、「明暗の境界に彩度の高い色が入っている表現」。
同じくとてもやってみたかったのです!
水彩色鉛筆で下書きを消さずにそのまま塗った時に、エッジが光っていたのをヒントに、
上手く応用できないかなと考えて、トライ!
これはいけそうだと確信しましたので、何回か練習した後に本番を!
作った陰影見本を見ながら、明暗の境界にピンクと山吹色を入れていきます。
下塗りした段階の絵です。
グレーの影の上に水彩色鉛筆の黄色とピンクが主張して、程よくぼけています。
かなり強めに水彩色鉛筆の色が出ていますが、重ね塗りするのでだんだんほのかになっていきます。
動画も撮りました。
そしてできあがったのがこちら!
フチに黄色が入っていい感じにエモいライティングになりました!!!!
最後上から山吹色を重ね塗りしていますが、エッジの光り方がいい雰囲気出ていると思います。
特に宝石のハイライト周辺の赤と黄色が混じった光り方は、透明水彩だけではなかなか出せない滑らかさに仕上がりました。
もう1枚描いたので追記(2023/6/29)
今度は発光の事例です。
光る鞭と細かい光を例にしました。
まず光らせたいとことの境界に水彩色鉛筆を置き、下塗り!
Tweetにも書いてありますが、ネオン管のような「両端をぼかす必要があるモチーフ(今回は鞭)」が簡単にぼかせます。(透明水彩でこれをやろうとすると超難しい)
どんどん重ねていくと、最終的にほのかな光に仕上がります。
このほのかさが今風で!
よくソシャゲやVTuberで見る、ハイライトだけ彩度の高い色でキラッとしているのが簡単に再現できます!
これで自分の絵がガラッと変わった。情報量が増えてやりたい表現が出来るようになった。
本当にそう思うようになりました。
終わりに
今回は、水彩色鉛筆と透明水彩の併用で3つの(ニッチですが)ナイスだと思った使い道を紹介しました!
使っていて偶然気づいたものもありまして、「これは是非紹介したい!」と。
特に、全色揃えなくても「ピンク」と「黄色」を持っていると、コミックイラストで大いに活躍してくれると思います!
自分が使っているのはこちらです!
ファーバーカステルの120色セットは使うのが勿体なくて、結局カランダッシュのスプラカラーのバラ売りを買って愛用しています。
面白い水彩色鉛筆の使い方がありましたら、ぜひ教えてくださいませ!
ではでは!