こんにちは。ホネ山です。
私は重ね塗りしまくる絵柄です。
暗いところ(髪の毛の影や首の影など)は5回、6回、重ねるのが当たり前でした。
水彩重ね塗り画風の弱点
突然ですが、重ね塗り画風の皆様。
重ね塗りしまくると絵が荒れることに悩んでいませんか?
5回も6回も重ね塗りすると、水彩境界が重なって汚く見えたり、
重ね塗りした部分の色が剥がれてかえって明るくなったりするんですよね。
こんな感じで。(首周りの髪参照)
特にパルプの水彩紙だと重ね塗り出来る回数に限りがあったり。
オックスゴールとか使って無理やり重ね塗り出来るようにすることもしばしばです。
せっかく今までいい感じに塗れていたのに、仕上げの一筆がアレな感じでテンションが下がったことは数知れずw
私はこれのせいで、学ランとか黒とか……暗いパーツ(特に広い面積)塗るのがずっと苦手でした。
重ね塗りしても暗くならない。コントラストが不足している!なんか汚い!
と思い続け。。。
あれ?ウォーターカラーマーカー、仕上げの影つけに向いているんじゃない?
ある日、ウォーターカラーマーカーのプレゼントキャンペーンがあり、軽い気持ちでRTしたところ、当選。
マジか……!!と思い、早速レビュー記事を書くためにちょこちょこ試していたところ……。
これ、影つけるのにめっちゃ役立つじゃん!!と、とても嬉しく思ったのを覚えています。
ウォーターカラーマーカーってどういう画材?
ウィンザーアンドニュートンから販売されている、水彩絵の具マーカーです。
カラーインデックス名のついた顔料が使用されていて、水彩と同じような要領で水に溶かすことが出来る……マーカーです!!
透明水彩とほぼ同じ顔料が使用されているみたいですね!
(マーカー用にレシピや練りなどに最適な調整がされているらしいです!)
ブラシ(コピックと似たような感じ)と細字(幅1mmぐらい)の2種類のニブが付いていて、塗った色を水に溶かすことが出来ます。
水筆とセットで使えば、寝っ転がりながら水彩テイストの絵を描くことも可能。
個人的に思う特徴としては、
「透明水彩で作るのが難しい濃~い色を、重ね塗りせず一度で出すことが出来る」ってことですかね?
まずは、「仕上げの影」に使う実例を見てほしい!!!!
ここに、かなり塗り込んだけど、コントラストが足りない絵を持ってきました。
紙はセザンヌ細目です。
イマイチボヤッとしていてパンチが足りません。
特に襟の周りが二人ともボヤッとしています。黒をガッツリ塗るとこうなるんですよね~。
ここで暗く影の落ちる部分にウォーターカラーマーカーを使ってみます。
(多少補正していますが)コントラストがかなり改善し、くっきりとした絵になりました!
【使った場所】
・黒いパーツ全て
・左の子の臙脂色の影
・右の子の髪の影
・右の子の金色のパーツ全て
・右の子のマントの影
・右の子の帽子の羽根
ここがいいぞ!ウォーターカラーマーカ―
1)これ以上重ね塗り出来ない!って状態の紙にも、有無を言わさず塗ることが出来る
ハイ!ここめっちゃデカイです!!
塗り重ねていくとバックランができてしまうくらい「限界」の紙にも、
マーカーなので塗り重ねることが出来ます。ありがたい。。。
水彩のチューブを直接紙につけるようなイメージをしていただけたらと思います!
そんな感じで、濃い色をダイレクトに紙に染み込ませることが出来ます!
コットマン水彩紙はもちろん、セザンヌとブリタニアで試しましたが問題ございませんでした!
2)濃い色でも水彩境界が出来ない。
これは人によってはマイナスかもしれないですが、
自分のようなデジタル水彩再現派にはプラスでした。
暗いパーツに暗さだけ追加できるのでが便利。バックランが出来ず、絵が荒れずに済みます。
重ね塗りした後の仕上げにピッタリです!!
これで水彩重ね塗り画風のコントラスト不足が解消。
黒いパーツの中で濃淡を出せるようになり、俄然塗りやすくなりました。
3)水でぼかせる
ちょっと暗すぎたと思ったら、水を付けた筆でぼかせばグラデになるし、
ある程度なら拭き取りしてグラデを作ることも出来ました。
水をつけすぎると線が滲むので、影つけ目的なら湿った筆でさっとなぞって
すぐティッシュで押さえるのがおすすめです。
早速手持ちの色を塗ってみました!
現在12色持っています。
結局、影でよく使いそうな色を買い足しまくりw、現在12色持っています。
紙はコットマン中目(モニターでいただいた紙に塗って、水で伸ばしてみました)
流石公式でセットで届くだけあって、相性抜群です!
オレンジや緑がないのは、あまり影でこれらの色を使わないからです。
手持ちが増えたらまた増やします。
実際使ってみると、モーヴやディオキサイジンバイオレット、バーントシェンナ、ペイニーズグレーが出番多めな感じです。
「紙によっては伸びない」って聞いたけどホント?
ネットで、「ウォーターカラーマーカーはの相性が顕著で、紙によって色が伸びる場合と伸びない場合がある」と書いてあったので、何枚か水で伸ばして試してみました。
使用人口の多い、ウォーターフォードとホワイトワトソンはどちらも問題なし!
特にウォーターフォードは境界が溶ける感じで伸びてくれて相性良かったです。
いかにも伸びなさそうな超細目のニューTMKポスターは、(多少筆跡が残る色もありつつも)なんだかんだで伸びてくれました!
作例で使用したセザンヌ細目も問題なし!
ブリタニア水彩紙でも試していますがこれもOK。
自分が試した中で唯一伸びなかったのはクロッキー帳でしたw
紙との相性は公式がYouTubeを出しています。
注意した方がいい所
コピックに比べると薄い色でも色がはっきりくっきり出るので、淡い絵柄にはあまり向いていないかもしれません。
保存するときは横向きに。
公式のパンフに書いてありましたが、立てて保存すると顔料インクが下に沈み、目詰まりを起こすことがあるらしいです。
あと、塗った後に塗れた手で触らない。溶けて変なところに色が付きます。
こうだったらいいのにな~と思ったところ
1)細いニブに差し替え出来ればなぁ
結構ニブが太いです。
筆で力を抜いてギリギリまで細く書いて0.5mmぐらいなので、めちゃくちゃ細かい塗りは出来ません。
0.3mmぐらいまで出せれば目の中の影も塗れたのになぁと思いました。
差し替え可能なニブがあったら教えて欲しいですね~。
2)中間色もっと欲しいなぁ(特にグレーと肌色)
後述(本来の用途は塗ったら即ぼかす?)で書いてあるように、原色を塗り重ねてぼかしていく使い方を想定されているのか、コミック用マーカーとしての使い勝手はそこまで~って感じです。
ネイプルズイエローやデイビスグレー(これ超ほしかった!!)
W&Nにはありませんがラベンダーやライラック系のパステルカラー。
暗い辺りではテールベルトやペリレーングリーン、ペリレーンバイオレット辺りが欲しかったです。
本来の使い方は、「塗ったら即ぼかす」のくりかえし!?
ある日。追加の色を買いにTOOLSまで買いに行ったところ、
ウォーターカラーマーカーのコミック用途の冊子が置いてあり、中を見たところ、こんな感じの内容が書いてありました。
【使い方】
・まず、一番濃くなるところにマーカーで色を置きます。
・その後、水で塗って色を広げます。
あ、そういう使い方なのか……!!
てっきり水彩色鉛筆みたいに、たまに溶かすみたいな使い方だと思っていました。。。
ということで、落書きですが、マーカーオンリーで塗ってみました!
自分がこの手の塗り方に不慣れで、作例として微妙で申し訳ないですが、
水筆使い慣れている方だったら綺麗に仕上げられると思います!
感想
こうだったらいいのにな~と思ったところもありますが、なんだかんだコントラスト不足を解消してくれる(おまけにぼかせる)ありがたいアイテムなので、個人的にはこれからも(色を買い足して)使おうと思いました!
あと、多分主線は太めの絵柄の方がマッチすると思います。
ホネ山はかなり細いので、絵柄のアップデートを重ねたいですね!
読んでくださりありがとうございました!